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 ワイズポケットが9月より提供を開始した情報共有ツール「ensophia」。さまざまなフォーマットのファイルを「カード」という単位で管理し、そのカードを組み合わせることで、「ソフィア」と呼ぶさまざまなコンテンツを作り、ユーザー間で共有できるというものだ。同社サイトでは動画によるデモも公開されている。

さまざまなフォーマットを「カード」という単位で管理

 ensophiaでは、テキストやPDF、動画、写真、Officeドキュメント、グラフなど、さまざまなフォーマットのファイルをアップロードして管理・共有できるのだが、それぞれのファイルを1枚のカードに見立てて扱う。そしてそのカードを複数組み合わせることで、ソフィアを作成・共有する。たとえば1つの業務プロジェクトに関わる動画やExcelファイル、PDFのドキュメントを1まとめにして、ソフィアを作るといった具合だ。ソフィアの作成にはほかのユーザーがアップロードしたカードも利用できる。

 ソフィアはまた、作成ユーザーのプロフィールを登録したカードとも結びついている。そのためドキュメントを共有するだけでなく、誰がどんな業務を担当しているか、どういう情報に詳しいのか、という社内情報の「見える化」にも貢献できる。カードにはコメントの書き込むができるので、カード作成ユーザーとensohpia上でコミュニケーションをとることができる。

ensophia 「ensophia」のホーム画面。自身の作成したソフィアのほか、ほかのユーザーのソフィアやカードへのコメント履歴などが表示される※クリックすると拡大します

 ensophiaはインターフェースにFlashを採用しており、ドラッグアンドドロップの直感的な操作でソフィアの作成が可能。また、OfficeドキュメントやPDF、動画などもFlashに変換するため、専用のビューワーを起動することなく閲覧できる。WordやPDFといったドキュメントについては、ページ単位での検索にも対応する。

 価格は、200ユーザーライセンスのパッケージが240万円。これに年間保守ライセンスが40万円が必要となる。現在はパッケージでの提供のみだが、今後はSaaS形式での提供も予定する。ワイズポケットでは、シンクタンクや行政機関などを中心にして、2008年内に20〜30件の導入を目指すとしている。

オンライン学習やプレゼンツールとしての利用も見込む

 組織内でのドキュメント共有ツールとして利用できるensophiaだが、その利用用途を幅広く想定している。ソフィアを閲覧する際は、左右2枚のカードを同時に表示できる。そのため、たとえば左側に動画のカードを配置し、右側にその動画に関するドキュメントや写真などを配置することで、授業の動画と学習内容のドキュメントを同時に表示するオンライン教材としても利用できる。

 また公開範囲をウェブ全体まで拡大することで、外出先でも利用できる動画付きのプレゼンテーションツールといった使い方もできる。今後はカードの種類を拡大し、ウェブカメラとの連携や、カードを電子ブック形式で表示できる機能なども追加していく予定だ。

ワイズポケット代表取締役の寶槻泰伸氏 ワイズポケット代表取締役の寶槻泰伸氏

真の教育によって人々の「創発」目指す

 ワイズポケット代表取締役の寶槻(ほうつき)泰伸氏は「今まで利用されてきたドキュメントのフォーマットは粘土細工みたいなもの」と語る。あるプレゼンテーションのために作られたPowerPointなどのドキュメントは、ページ単位での再利用は可能であってもそのプレゼンテーションが終わればそのまま利用することはできないという意味だ。

 そこでensophiaでは、さまざまなフォーマットのファイルをカードという1つの単位で取り扱い、情報を部品化して管理している。そのため、「粘土細工ではなくブロックのようなもの。流用性が非常に高い」(寶槻氏)という。

ワイズポケット取締役の寶槻昌則氏 ワイズポケット取締役の寶槻昌則氏

 寶槻氏は学生時代、「進学のための教育」という高校の授業に違和感を感じて退学。その後独学で大学入学資格検定(大検)に合格し、京都大学に入学したキャリアを持つ。同氏は起業後にまず、自身の経験を生かし、どうすれば生徒のやる気が出でるかという「知的動機付け」のための学習プログラムを作成して私立学校などに販売するといった教育事業を展開していた。

 教育事業を進める中、寶槻氏はさまざまな分野の優秀な人々が少しずつ自分の知識や力を出し合うことで、学生が「創発(個々の能力を組み合わせることで、個々では生み出せない創造的な成果を生み出すこと)」することの重要性に気付いたのだという。そしてその創発を行うためのプラットフォームになるツールを模索していく中でensophiaを企画し、弟の昌則氏とともに開発を進めた。

 現在、ensophiaの主な用途は組織内の情報共有やコンテンツ配信といったものだ。しかし将来的には、さまざまな組織が持つ知識を共有できる巨大なカードライブラリを作成し、学校教育では学べない知識の習得に役立てていくことを目指すという。「価値観やこころざしを持った教育を担うのは知識を持つ市民。ensophiaというプラットフォームを使って教育の破壊的創造にも挑戦したい」(寶槻氏)