2009年1月7日 11時00分
岩本有平(編集部)
画像処理技術を開発するベンチャー企業のモルフォ。これまで静止画や動画の手ぶれ補正技術に注目の集まることが多かった同社だが、現在ではワンセグ放送向けに動画のフレーム補間技術「FrameSolid」を提供するほか、画像処理に関するさまざまな製品を提供している。
同社は2008年12月18日、画像の高速閲覧技術「ImageSurf」がNEC製のNTTドコモ向け端末「N-01A」および「N-02A」に採用されたことを発表した。
ImageSurfはJPEG画像の圧縮データを高速解凍することにより、画像の展開や拡大縮小をスムーズに行えるソフトウェアだ。これまで一般的に、サムネイル表示している高解像度の画像を拡大表示する場合、画像のすべてを解凍して拡大し、その後表示を行っていた。そのためメモリの消費も多く、表示に時間がかかるという問題があった。
しかしImageSurfでは高解像度画像を表示する際、表示に必要な部分のみを解凍して表示する。つまり画像を拡大するのであれば、拡大後に表示される部分のみを処理するため、消費メモリを削減し、高速表示が可能になる。
N-01Aでは、このImageSurfを利用した画像ビューワー「クイックアルバム」を搭載する。タッチパネルを搭載する同端末の特性を生かし、画像の拡大や切り替えにはiPhone同様「ピンチ(2本の指でつまむ)」や「フリック(指をスライドさせる)」といった操作を行う。
画像の切り替えの際は「スライド」「フェード」「キューブ」など数種類のエフェクトを用意するほか、顔認識技術を応用し、ワンボタン操作で画像内の顔をズーム表示する「顔サーチ」機能を備える。
この技術についてモルフォ代表取締役社長の平賀督基氏は「やはりiPhoneは意識した」と語る。iPhoneは入力がタッチスクリーンのみであり、画像は端末本体で撮影するかPCで本体に転送する。言ってみれば非常に機能を制限したシンプルな端末だ。しかしインターフェースの見せ方でユーザーの携帯電話に対する感覚を大きく変えた。
代表取締役社長の平賀督基氏
平賀氏は「ニューロポインタやボタンといった複数の入力インターフェース、microSDカードなど外部記憶媒体を持つ(iPhoneと比較して)複雑な日本の携帯電話でも、技術的に同じことができると証明したかった」という。そこで同社では2008年2月頃から開発を開始。メーカーとのニーズが合致したこともあり、異例のスピードで製品への導入が決まったという。
また、同社はドコモ向け端末に向けて、画像認識技術「ImageScouter」を提供している。
このImageScouterのコンセプトは「高速かつざっくり認識する」というもの。一般的に画像認識といえば、顔認識のように画像の中から特定のパターンを抽出し、さらに詳細を分析するといったものを想像する。
しかしImageScouterでは、画像の中に2次元バーコードや名刺などの要素があるかどうかを高速で認識する。2次元バーコードの内容など、認識した要素の詳細についてはImageScouterのエンジン上で処理するのではなく、外部のアプリケーションやサービスと連携して処理を行う。
これは元々ドコモと共同研究していた高速撮影時の物体認識技術を応用したものだという。モルフォ開発推進局室長の冨森健史氏は漫画「ドラゴンボール」を例に挙げて「人物を認識すると戦闘力を表示する『スカウター』というものが登場する。あれと同じように、あるものをカメラで認識すると、それに対して最適なアプリケーションを連携させていきたい」と語る。
これまで手ぶれ補正技術で名をはせてきたモルフォだが、「今後は画像処理のエンジン部分を開発だけでなく、アプリケーションやネットワーク、サービスといった上位レイヤーの開発も行っていく」(平賀氏)としている。
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