2008年10月8日 19時32分
永井美智子(編集部)
2004年2月、1つのインターネットサービスが産声をあげた。個人で始めたサービスながら、1カ月で利用者数が1万人を突破。利用者の声に押される形で、開発者はそれまで勤めていた企業を退職し、大学時代の友人らとともに起業。PCサービスからモバイルサービスへと範囲を広げ、利用者数は4年半後の2008年9月現在、600万人を突破している。
そして、そのネットワークを支えていたのは、1996年に創業したベンチャー企業のレンタルサーバだった。自分の通っていた学校内向けの無料レンタルサーバを元に、18歳の学生が起業した企業が別のベンチャーと合併してできたその企業は、東京証券取引所マザーズ市場に上場。2008年3月期の売上高は62億円を突破した。
前者のインターネットサービス事業者はグリー、後者のレンタルサーバ事業者はさくらインターネットだ。グリーは運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」のサービス開始当初から、個人でも利用しやすいレンタルサーバサービスとして、さくらインターネットを利用していたという。
グリー代表取締役社長の田中良和氏は現在31歳、さくらインターネット代表取締役社長の田中邦裕氏は30歳。若い2人のベンチャー社長に、出会ったきっかけや創業時のエピソード、現在注目しているIT業界の動向などについて話を聞いた。なお、2人の話は動画で全編を紹介している。
さくらインターネットの田中氏(左)は、グリーが使っていたサーバ第1号機をグリーに寄贈
サーバには田中氏の個人ドメインである「tanakayoshikazu.com」の文字
田中氏とグリー取締役最高技術責任者の藤本真樹氏(左)は、第1号機を興味深そうに見ていたグリーの田中氏はもともと、個人サイトを運営するのにさくらインターネットのサービスを使っていた。その流れでGREEでもさくらインターネットを採用。当時からインターネットサービスの開発者の中では、個人でも気軽に使えるさくらインターネットの存在は話題になっていたという。
その後、さくらインターネットの田中氏がGREEのことをブログで書いたことがきっかけで、両社の交流がスタート。「(GREEは)Web 2.0の夢をかなえた企業。個人で一から始めたサービスを600万人ものユーザーに支持される規模まで育てたことがすごい」(さくらインターネット田中氏)、「(さくらインターネットは)会社員でも気軽にサーバを借りられる、安くて良いサービスを提供している」(グリー田中氏)と認め合う仲だ。
2人とも、もともと個人でサービスを始めたところが、起業のきっかけになっている。「まずはやらなければできない。思い立ったが吉日です」とさくらインターネットの田中氏は断言する。グリー田中氏も、「サービスを作っていたころは趣味の一環だった。ただ、(前職の楽天で)楽天市場も1人のエンジニアがプログラムを覚えながら作ったと繰り返し聞かされていたので、そんなものかな、と思う」と、気負わずに始めることのほうが重要だとした。
2人が最近注目しているIT関連の動向として挙げたのは、クラウドコンピューティングとモバイル。「クラウドコンピューティングは、誰しもが気軽にインターネットサービスを作って、どれだけ規模が大きくなっても安定して提供できるという、私が昔から夢を実現するための方法の1つ」(さくらインターネット田中氏)、「インターネットの登場初期から、これで個人でも情報発信できるようになるとか、コミュニケーションが取りやすくなると言われていた。その敷居はブログやSNSで下がったが、モバイルによってさらにもう1段下がるだろう」(グリー田中氏)と期待を寄せていた。
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