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 タブブラウザ「Lunascape」を開発する国産ベンチャーのLunascape。

 同社は2008年6月、米国シリコンバレーのSan Joseに100%子会社となる「Lunascape Inc.」を設立し、米国進出の意志を明らかにした。

 ブラウザという、言語以外では地域依存の少ないツールを開発する同社にとっては、日本だけをマーケットと考えることにメリットはない。スケールを考慮すれば世界展開していくことは当然の選択だったと代表取締役社長の近藤秀和氏は語る。「海外展開は創業時より事業戦略の重要なポイントと考えていた。世界のインターネット人口は7億人以上。日本の10倍のマーケット」と期待を寄せる。

 近藤氏は子会社設立をこのタイミングに決めたきっかけとして、2007年の夏に独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)が主催したシリコンバレーツアーに参加したことを挙げる。

 「シリコンバレーという場所がITビジネスを世界展開するのに非常にいい環境だった。まわりに成功者も多いので、アイデアを真剣に相談できる。また新しいビジネスを生むためのネットワークもある。弁護士1人をとっても日本と人脈の幅が違うと感じた。行くなら今しかないと思った」と近藤氏は語る。「同時に勘違いしてはいけないのが、われわれは『ビジネスをしに行く』ということ。『シリコンバレーに会社を興す』ということがゴールではないし、そういう人は成功しない」(近藤氏)

 子会社は当面、JETROが日本のベンチャー企業向けに提供するインキュベーションオフィスに入居する。同オフィスは、2年間無料で利用可能となっているが、「1年以内にはここを出て別途オフィスを借りたい」(近藤氏)とした。

近藤秀和氏 Lunascape代表取締役社長の近藤秀和氏

 米国法人は同社の米国向けマーケティングやLunascapeのローカライズの拠点にするだけでなく、研究開発の拠点にしていく予定だ。ビザの手続きが終わり次第、近藤氏と同社の開発者数名が米国に行き、まずはGekkoエンジンの最新版であるGekko 1.9対応のLunascapeを提供する。そのほか、現在対応している日本語や英語のほか、中国語やスペイン語など多言語化を進める。

 同社のビジネスは企業向けのブラウザのOEM提供やポータルサイト「Luna.TV」での広告配信など。これらの一部については、すでに米国企業とも業務提携を進めているという。今後はiPhone関連のソフトウェアの研究開発も予定する。

 また、Lunascape 4からユーザーに開放したプラグインの制作についても強化していく。年内をめどに、新たな開発フレームワークを用意する考えだ。

 インプレスR&Dが発行する「インターネット白書2008」によれば、Lunascapeの国内シェアは約1%。今後はインターネット初心者から中級者をメインターゲットとして、2〜3年以内での世界シェア1%獲得を目指す。