2008年8月8日 10時00分
原田和英(アルカーナ)
先日、「ホームページを作りたいのだけどどうすれば良い?」と友人に聞かれた。そして少し返答に窮した。
なぜなら友人は、ネットにほとんど詳しくなかったからだ。IT業界にいるとつい「ドメインとってサーバ借りれば?」と言ってしまいそうになるが、ネットに慣れていない人にとって、そのような作業はハードルが高い。
そこで、「ブログサービスじゃだめなの?」「プロフィールサイトは?」と聞いたのだが、どうやら知り合いの飲食的の概要ページを作ってあげたいらしい。そのため、1ページでも良いのでわかりやすいサイトが良いとのこと。つまり動的サイトよりも静的サイト。そしてデザイン性を重視したいという趣旨だ。
そのような要件の場合、ブログやWikiなどのソーシャルメディアサービスは確かに適していない。オープンソースのCMSも盛んだが、初心者にとっては扱いきれないものだ。
そこで、思い出したのが「ジオシティーズ」だ。ネットの黎明期を支えたホームページ作成サービスだが、現在はヤフーが「Yahoo!ジオシティーズ」として運営している。
ちょうど7月30日にホームページ開設数が400万を超えたそうで、以前よりは見かけなくなったものの、いまだに多くのユーザーを引き付けているようだ。一説によると、ユーザーの増加率はサービス開始以来、11年間変わっていないとか。
ジオシティーズはもともと、1994年にBeverly Hills Internetという名前で米国で設立されたサービスだ。名前が「ジオ(地理)シティーズ(町)」であるように、ユーザーはカテゴリに準じた「自分の町」を選んで、そこにホームページを作成した。その町が、作成するサイトのジャンルと結びついているという仕組みになっており、たとえば、PC関連のサイトならば「シリコンバレー」、エンターテインメントならば「ハリウッド」という具合だ(英語版Wikipedia参照)。
Yahoo!ジオシティーズの収益源は、ドメインの販売や有料版(広告がない、商用利用可能、CGI利用可能など)による課金が見受けられる。また「アドパートナー」というアフィリエイトに準じたシステムも提供している。しかし、気になるのは今後ヤフーの他サービスとどう連携していくのかという点だ。400万に上るサイトとユーザーをどのようにレバレッジを効かせるのか、という点がポイントとなってくる。
なお、今回の記事の執筆にあたり改めて気づかされたのは、ヤフーの強さだ。確かにこのサービスは古株という強みはあるものの、それを差し引いても400万人という登録数を得るのは容易ではない。それを考えると、インターネットビギナーにとって、何かの入り口としてヤフーは依然として大きな求心力を持つのかもしれない。「ニュースはYahoo! ニュース」「株価はYahoo! ファイナンス」というような声を聞くにつれて、改めて日本におけるヤフーの存在感に気づかされる(もちろんそれらのサービスが相対的に魅力があるからという点も使われる理由としてはあるが)。
とはいえ、ヤフーが運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Yahoo! Days」やブログサービス「Yahoo! ブログ」が必ずしもほかより圧倒的なユーザーを集めているとは限らない。つまり、ヤフーがやるからといって必ずしも成功するとは限らないのだ。その点がまた面白いところなのだけれども。 いずれにせよ、ヤフーはこのような多くのユーザーを集めるサービスを数多く持っている。連携には仕様や部署の違いなどもあり、すぐにはうまくいかないと聞いているが、今後、この眠れる資産がどのように活用されるかに期待したい。
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