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2007年4月26日 08時52分

MySQLのミコスCEO、ついにIPO計画を語る

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
翻訳校正:編集部

UPDATE カリフォルニア州サンタクララ発--MySQLが、株式公開企業になることを目指している。社名と同じ名称を冠するオープンソースデータベースを提供するMySQLは、2006年通年で5000万ドルの売り上げを計上している。

 MySQLの最高経営責任者(CEO)であるMarten Mickos氏は、新規株式公開(IPO)を実施する計画について「今もパイプラインに乗っている」と述べた。その一方で、同氏は実施時期については言及を避け、「計画は着々と進んでおり、必要な作業をすべて終わらせようとしている」と付け加えた。

 ドットコムバブルの時代には時折、利益も上がっていなければ、売り上げの見通しすら立っていないような企業までもがIPOを実施し、投資家たちから膨大な資金を集めていた。だがMySQLはまず、ビジネスを構築しようと考えている。

 Mickos氏は当地で開催中のMySQL Users Conference & Expoで取材に応じ、2006年通年の売り上げが5000万ドルだったことを明らかにしている。Mickos氏の過去の講演によれば、同社の2002年の売り上げは650万ドル、2005年のそれは3400万ドルだった。

 利益についてMickos氏は「具体的な目標を設けていない。ただ、お金に困っているという状況ではない。損益分岐点の少し上や少し下を行ったりきたりしている」と述べる。

 IPOの経験者たちはMickos氏に対し、「株式公開企業になるにはいろいろな苦労が伴うので、IPOの時期はできるだけ先に延ばしたほうがいい」と助言してきた。しかし、Mickos氏はIPOのメリットについて次のように述べる。

 「顧客の一部に見られる、ある障害が取り除かれる。保守的な企業のなかには、株式公開企業と取り引きしたいと考えているところがあるものだ。またIPOをすれば、買収に必要な資金を手に入れられる」(Mickos氏)

 MySQLはオープンソースソフトウェアの一大勢力となった。その勢力拡大の要因の1つとなったのが、人気の高い「LAMP」ソフトウェアスタックにとって不可欠な地位の確立だ。LAMPは多くのウェブサイトの運用に利用されており、「Linux」OS、「Apache」ウェブサーバ、MySQL、そしてウェブページを素早く制作できる「PHP」言語で構成される。

 ウェブに特化するMySQLだが、既存の主要データベースにとっても徐々に大きな脅威となりつつある。競争入札でも、OracleやMicrosoftと競合するのはMySQLが最も多いと、Mickos氏は語っている。しかし、同社はOracleの主力ビジネスで直接対決することは考えておらず、さまざまな手段を用いて成長市場においてこのライバルをかわそうとしている。

 Mickos氏は、「Oracleの顧客を根こそぎ奪うことは考えていない。おこぼれにあずかろうとしているだけだ。同社と競争を繰り広げて顧客を奪いたい気持ちはある。だがそれと同時に、だれもが『がんばれMySQL。Oracleをやっつけろ』と応援する判官びいき狙いの戦略も望んでいない。あるライバルだけに目を向けていると『朱に交われば赤くなる』場合があり、われわれはそれを望んでいない」と語っている。

 Mickos氏は2006年、OracleがMySQLの買収を試みたことを明らかにした。

 Mickos氏は基調講演でMySQLが成功を目指している分野について説明したが、Oracleの牙城であり、大企業の在庫管理、会計、顧客行動などを扱う大規模バックエンドデータベースはそのなかに含まれていなかった。

 Mickos氏は講演のなかで、「われわれが知名度を上げたいのはオンラインデータベースの分野だ」と述べた。同社は、従来のウェブサイト、インタラクティブ化が進んだ「Web 2.0」世代の企業、通信業界サービス、サービスとしてのソフトウェア、そしてウェブページからアクセスするビジネスアプリケーションといった業務に対応したい考えだ。

 PostgreSQL、Ingres、EnterpriseDB(オープンソース製品からプロプライエタリなソフトウェアを構築している)など、オープンソースデータベースのライバルは多いが、これらの競合各社がMickos氏の目にとまることは少ない。

 同氏はIngresについて、「このチームは適切な仕事をしている。そのことは尊敬に値するが、顧客の入札では名前を見ない」と語っている。Ingresとは狙っている顧客が違う、と同氏は語っている。

 もう1つの主力データベースベンダーが、DB2を擁するIBMだ。だが、同社はビジネスパートナーでもある。IBMは25日、「System i」サーバの顧客にMySQLを販売する販売代理店契約を発表している。同サーバはIBMの中規模企業向けハイエンドマシン。

 IBMのこの措置により、MySQL対応のソフトウェアアプリケーションがSystem iマシン上で動作するようになるが、DB2もバックエンドトランザクションエンジンとして相変わらずMySQLを支える。MySQLは従来、「InnoDB」と呼ばれるオープンソースソフトウェアをこの目的に使ってきたが、Oracleが2005年にInnoDBを買収したことを受けて独自エンジンの開発を進めていた。

 MySQLでは、同データベース向けの定期サポート契約を販売している。料金は、中間の「ゴールド」サポートでサーバあたり年額3000ドルとなっている。同社は1月に新しい料金オプションを発表し、1社に導入されたMySQLのライセンス数にかかわらず年額4万ドルで「ゴールド」サポートを提供することになった。

 この新オプションは上位レベルの「プラチナ」サポートや、高信頼「クラスタリング」機能を搭載したMySQLには適用されないが、新しい顧客を複数獲得している。そのなかには、Bookings.nl、Dada、ESPN、Grant Street、IMMI、Instaclick、iStockphoto、Netshop.com、The New York Times、Qsent、スウェーデン警察、Trans Union、Uptiltが含まれているという。

 これまで、新バージョンのテスト、機能要望、デバッグなどについて顧客との密接な連携がうたわれてきたMySQLだが、開発は主に社員のごく一部だけで行われていた。

 だが、今後は社外ボランティアをもっと募集していきたいと、Mickos氏が語っている。

 Mickos氏は、「われわれはモデルを変更した。学ぶところがあった。これまでも多くのボランティアに支えられてきたが、それに対する感謝の気持ちが不十分だったし、こちらから要請する形でもなかった」と語っている。

 一方、強力な盟友になるかもしれないGoogleが、支援に熱心な姿勢を見せている。Googleは今週、社内で利用するMySQLの修正版を独自に公開し、その変更部分が主力プロジェクトにも組み入れられることに期待を示した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ