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 産経デジタルは7月4日、ニュースサイト「iza!」を中心としたインターネット事業への取り組みを説明した。これはiza!のベータ版サービス開始から半月が経過したことを受けたもの。

 iza!では、産経新聞グループが発行する新聞紙面などから、ニュースや写真を掲載するニュースサイトだ。閲覧やユーザー登録は無料で、ユーザーはブログを執筆したり、記事にトラックバックをつけることができる。また、現役記者約60人のブログも開設しており、会員は記者のブログにもコメント可能だ。

 産経デジタルは、2005年11月1日に産経新聞社のデジタル事業を引き継ぐ形で分社化、設立された。この背景には、新聞業界全体の傾向として新聞の発行部数が減少傾向にあることや、新聞社系サイトの利用者が伸び悩んでいることなどがあったという。今後、新聞業界に大きな変化が訪れるという認識があり、またインターネットの普及によって新たな情報パッケージが求められていること、情報に対する価値基準が変わってきていることから「新聞も『新聞2.0』に進化する必要がある」と、産経デジタルの代表取締役である阿部雅美氏は語った。

産経デジタル代表取締役の阿部雅美氏 産経デジタル代表取締役の阿部雅美氏

 インターネットを重要なメディアとして認識し、紙の新聞と並ぶ中核事業としてiza!を2006年6月に開始した。これはあくまで紙のメディアと同等の位置づけで、紙メディアからネットメディアに軸足を移すものではないとしている。ネットでの展開は、情報の信頼性と鮮度、広範囲の情報を網羅すること、そして情報量の多さをポイントとし、双方向性も重視した。

 産経デジタルではこのほか、パソコンやモバイル向けの有料配信サービス「産経Web-S」、大手ポータルサイトや新幹線車内などに向けた記事のデータベースサービスを提供している。

 阿部氏が「新聞2.0」を目指すとしたiza!は、新聞を進化させたものとしながらも紙では扱わない情報も扱うことや、新聞と異なる情報パッケージを採用することで、新聞ではできない強いサービスを目指したという。そのため、従来の新聞とは競合しないとしている。阿部氏は「単に紙の内容をネットへ持っていくだけでは通用しない時代になっている。紙の情報を二次利用するだけでなく、情報を広げて深めていくとともに、ユーザー同士の交流の場を提供していきたい」と語った。今後は動画への対応やeコマースの導入、iza!から新聞紙面への展開なども考えているという。

 産経新聞グループの4サイトのニュースをまとめて読めることや、記者によるブログや、用語集「イザ語」の採用などがiza!の特徴となっている。ブログを執筆する記者は現在62名で、さまざまな部署から選ばれている。ブログの執筆作業は業務の一部としており、週一回の更新を義務付けているという。ブログ執筆記者については、今後100人規模に拡大したい考えだ。

 イザ語は記者が執筆しており、現在約5000件の用語が登録されている。ウィキペディアのようにユーザーが説明を書き加えることも可能だ。また、イザ語のページでは語句を含むニュースやブログ、写真などのともリンクしている。なお、サイトの構築はチームラボが担当しており、チームラボビジネスデベロップメントと共同で開発した検索エンジン「SAGOOL」などが採用されている。外部からの利用がしやすいことを念頭にサイト構築を行ったという。

 ユーザーが自由にブログや記事へのコメントができることで、不適切な書き込みや著作権を侵害する画像のアップなどが懸念されるが、ユーザーの書き込みに関しては特にチェック機構を設けていないという。もちろん、問題のある書き込みが発覚した場合は早急に対処するが、現在ところそのような書き込みはないとしている。ただし、画像に関しては厳しいチェックを行っているという。

 今後の予定としては、8月くらいにはベータ版から正式サービスに移行することを目指す。アクセス数の目標は特に設定していないが、ブログを執筆するユーザーを1万人まで早期に増加したいという。iza!をインターネットビジネスとして発展させる考えはあるものの、サイト構築による投資が大きく、ここ3年での黒字化は難しいとしている。なお、「iza」の名称は社内公募によるもので、「イザナギ」「イザナミ」の「イザ」から「新しいものを生み出す」「いざというときにここを見ればわかる」という意味があるという。