ココアは12月14日、仮想世界サービス「meet-me」のアルファ版サービスを12月16日15時より開始することを発表した。
ココアはトランスコスモスとフロム・ソフトウェア、産業経済新聞社の3社が3月12日に設立した合弁会社だ。12月3日には伊藤忠商事やフジテレビジョン、みずほキャピタル、産業経済新聞社、クオラス、イオン、スクウェア・エニックスを割当先とした第三者割当増資を実施している。
東京の街を仮想世界上で再現した「meet-me」のスクリーンショット
同社が提供するmeet-meはインクリメントPが提供する実際の地図データを利用して、仮想世界の中に東京を再現した日本発の仮想世界サービスだ。ユーザーが仮想世界内でミニゲームなどを提供することで、アクティブでないユーザーに対しても利用を促す仕掛けを用意する。
アルファ版サービスの利用には、まず公式ウェブサイトでのユーザー登録が必要となる。ユーザー登録後、ココアから招待形式でアカウントが発行されるので、そのアカウントを用いてマイページmeet-meのマイページにアクセスし、専用のクライアントをダウンロードして利用する。クライアントの利用に必要な環境や推奨するPCのスペックは以下のとおり。
またココアでは、大学や大学のゼミ、部活動といった公認組織に対して、meet-me上で当該大学のキャンパスがある土地を無償開放して仮想世界サービス内での活動を支援する「アカデミックアライアンスプログラム」を提供する。同プログラムは17日から受付を開始する。詳細についてはココアのウェブサイト上にて公開するとしている。
同社ではアルファ版サービス開始後、順次参加人数や機能、地域を拡大し、2008年春に主要機能を実装したバージョンを一般公開する予定だ。
永井美智子(編集部)
2007年のインターネット業界で最も話題になったサービスの1つが、ドワンゴと子会社のニワンゴが共同運営する「ニコニコ動画」だ。多くのユーザーを集めたその開発手法については、記事「ニコニコ動画に学ぶ、人気サービス開発の極意」でご紹介した。今回は、ニコニコ動画というサービスを生み出した企業文化に焦点を当て、なぜニコニコ動画のようなサービスが生まれるに至ったかを見ていくことにする。
ニコニコ動画は、コミュニケーション素材となる動画からコメント、分類タグ、掲載するアフィリエイト広告に至るまで、ユーザーの手に委ねている。違法な動画の削除や場を荒らすコメントを書き込むユーザーのアカウントを停止することはあるが、ニコニコ動画のコンテンツは基本的にユーザーが作り上げたものだ。
それは、サービス提供側がユーザーの行動を信頼し、ともにサービスを作っているということでもある。
「(ユーザーに委ねるのは)怖いですよ。でもそれはリスクと考えるか、チャンスと考えるかだと思うんですね。リスクは当然ヘッジする方法を考えながらやります。でも、これはチャンスだと思うんです。新しい、今までにないものを生み出すのはチャンスじゃないでしょうか」とニワンゴ 代表取締役 兼 ドワンゴ ニコニコ事業部 部長の杉本誠司氏は話す。
ニコニコ動画のこういった姿勢のルーツは、ドワンゴの創業経緯にあるようだ。ドワンゴはオンラインゲームの運営企業に勤めていた現代表取締役会長の川上量生氏と、ネット上の掲示板で集まってゲームを制作していたグループ「Bio_100%」のリーダーである現取締役の森栄樹氏が共同で設立した。ネット上で知り合ったオンラインゲームの運営者や開発者が集まった、「ネットの世界で生きている、ネットに移住した人が作った日本初の会社」(ドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏)だ。
川上氏はドワンゴについて、「ネット上にいる腕利きのプログラマーが楽しく働ける会社を作りたかった」と話している。ネット上で暮らす人に、心地良い居場所を提供したい――そんな思いがニコニコ動画の底流にはある。そしてそれは、ニコニコ宣言(仮)の「ニコニコが提供したいのは人間が生存するためだけであれば、きっと必要のないものかもしれませんが、仮想世界においてユーザーが人間らしく生きるために大切にしたいと思うようなサービスです」という一文に表れている。
ニコニコ動画の開発者になぜニコニコ動画がここまで人気を集めるサービスになったのかと話を聞くと、「運が良かった」というような言葉が出てくる。たとえばドワンゴ 研究開発部 技術開発セクションの戀塚昭彦氏はニコニコ動画のプロトタイプを3営業日で完成させたが、それは直前まで社内プロジェクトで使っていた技術をうまく活用できたためだと話す。「本当にタイミングがよかった」(戀塚氏)
また、動画共有サービス「SMILEVIDEO」も1週間強で開発しているが、その時には個人的に動画共有サービスを開発していた社員がたまたまいたため、そのノウハウを活用できたという。「なぜ1週間でできたかと言えば、YouTubeからアクセスを拒否されたという危機感と、たまたまサービスを開発していた人がいたという運の良さがある」(千野氏)