家電製品の商品レビューサイトを運営するWillviiは2007年1月11日設立。代表取締役社長である塚崎秀雄氏は東京証券取引所、戦略コンサルタントのA.T.カニー、ソニーの「ウォークマン」商品企画統括を経て、同社を設立するに至る。
ほかにも取締役、監査役に東証出身者を招いているなど、これまで日本経済の中核を見ていた人材で布陣を敷いているのが大きな特長の1つとして挙げられる。
同社の経営理念は「Will,Vision,Innovation」。強い意志であるべき姿を常に模索し、その実現のために革新を起こすことで、「会社は人を幸せにするために存在する」という姿勢を前面に押し出している。
主要事業はソーシャルブックマークを軸にしたデジタル家電製品の商品レビュー。これにより集客を行い、広告や物販仲介などの収益につなげるビジネスモデルを描いている。
ソーシャルブックマークを軸にしたデジタル家電製品の商品レビュー「みんぽす」
このサービス名称は「みんぽす」(ベータ版)と呼ぶもので、ニュースサイトや一般消費者によるレビュー記事をベースに、“本音ベース”で書かれた商品レビューを提供するというものだ。
11月末時点で、記事投稿数1万5000件を突破。記事投稿数は7月末で3500件、9月初旬で6000件という高水準で増加しており、急速にネット利用者が活用する新たな商品レビューサイトとして存在感を高めている。
また、ブログ執筆者への商品貸し出しを9月から開始。すでにソニー、松下電器産業の大手と組んだ展開を行っており、創業1年足らずのベンチャー企業ながら大手メーカーとも連携した商品情報提供サイトとしての可能性も示した。
主な商品レビューは「デジタルカメラ」「映像」「オーディオ」「PC」「ゲーム」などを対象に行っており、例えば、楽天のあるジャンルと比べて4倍以上(過去3カ月)のレビュー件数を誇るなど、最大手のカカクコムなどに次ぐ勢力の一角として注目を集めつつある。
商品レビューの内容は、ニュースサイトなどマスコミによる評価と利用者視点のブロガー記事の2本立てで形成する一方、当該記事に事実誤認がある場合は積極的に訂正を行うなど、記事の信頼性も担保する姿勢を示している。
基本的に消費者生成メディア(CGM)であることに軸を置きつつも、メーカーからの商品貸し出しによる優良レビューを加えることなどで、メーカーのCGM対策を支援するなどメーカー側のメリットを重視する姿勢にも注力しているのは特筆すべき点だ。
もちろん、メーカーにとっては貸し出した商品の紛失や故障、思い通りの商品レビューになるとは限らないなどのリスクはあるが、独自にブロガーと接触する上での各種負荷が軽減できる。
同社によるとこれまでのブログマーケティングは、販売数量が低い商品やそのコメントを合算すると販売数量の高い商品やコメントに匹敵するという「ロングテール現象」を前提としていたものが多く、ある意味で「数で勝負することが前提だった」(塚崎氏)。しかし、同社では「質で勝負する」(同)を前提としており、より購買意欲の高いネット閲覧者の興味をひきつけられる領域に絞り込んだ。
この基本姿勢を踏まえ、「信頼確保のため口コミを完全管理するようなことはしないが、一定の意向反映と事実誤認に対する訂正ができる」(同)ことを競合他社の優位性として挙げている。
今後も塚崎氏をはじめ大手企業やメーカーで十二分の経験と実績を積んできた経営陣が運営していることの信頼性を生かしつつ、消費者が納得できる密度と精度を担保した商品レビューをメーカーにとっては低コスト・リスクでサービス提供していく方針。広告やそのほかの収益源による売り上げ増加を追求しつつ、既存の大手商品レビューサイトの追撃を目指す。
瀬井裕子(編集部)
携帯電話のポイントサービス「モッピー」を運営するセレスは東日本旅客鉄道(JR東日本)と提携し、12月21日からモッピーとJR東日本が運営する「Suicaポイント」とのポイント交換サービスを開始すると発表した。
モッピーの利用者は、携帯電話のサイトなどを利用して貯めたモッピーポイントをリアルタイムにSuicaポイントへ交換することができるようになる。交換できるのはモッピーポイントからSuicaポイントへの一方向のみ。
交換レートは以下の通り。
モッピーは携帯電話専用のポイントサービスで、600以上の公式サイト・一般サイトへの登録と40以上のショッピングサイトでの約50万アイテムの商品購入、またモバイル広告の閲覧でポイントを貯めることができる。
貯めたポイントは現金や電子マネーに交換することができるほか、着うたや着うたフルなどデジタルコンテンツの購入にも利用できる。累計の利用者数は100万人以上。
一方のSuicaポイントサービスは、モバイルSuica会員と「ビュー・スイカ」カード(提携カード含む)会員向けのポイントサービスで、Suicaポイント加盟店におけるSuica電子マネーでの買い物などによりSuicaポイントを貯めることができる。
貯まったSuicaポイントは、Suica電子マネーに交換することで、電車やバスなどの公共交通機関での支払いに利用できるほか、コンビニエンスストアやレストラン等での支払いにも利用できる。
永井美智子(編集部)
ちょうどいまから1年前の2006年12月12日、1つのネットサービスがひっそりと公開された。そのサービスは11カ月後、会員数が400万人を突破。2007年10月時点で1日の平均訪問者数は143万人、ユーザーの平均滞在時間は1日約1時間と、圧倒的な人気を誇る。
これはドワンゴと子会社のニワンゴが共同で運営している「ニコニコ動画」の現状だ。1日の動画再生回数は1567万回、コメント回数は320万件にものぼる。短期間でこれほどの人気を集めるサービスを開発する秘けつとは何なのか、ニコニコ動画の開発者たちに話を聞いた。
ニコニコ動画の特徴の1つとして挙げられるのが、開発スピードの速さだ。直近では、動画を視聴し終わると動画右のコメント一覧部分に、「この動画を見た人は、こんな動画も見ています」というリコメンド機能が12月5日に実装された。プレスリリースや開発者ブログなどで公開されたものもあるが、細かい機能追加、変更も常に行われている。
そもそも、2006年12月12日の時点では、YouTube、AmebaVisionの動画上にコメントを書き込む機能しかなかった。それがYouTubeからのアクセス拒否を受けて2007年3月には動画投稿サービス「SMILEVIDEO」を1週間で構築。5月にはモバイル版を公開(当初テスト版として公開し、8月に一般開放)、7月にはアフィリエイト広告「ニコニコ市場」、10月には台湾版を開始。11月にはユーザーが書き込んだコメントが動画の動きに影響を与える「ニコスクリプト」を実装するなど、急スピードでサービスを拡張している。
このスピード感がユーザーを惹きつけ、「ここに来れば常に面白いことがある」と思わせる一因になっている。
では、どのようにしてこの開発体制を実現しているのだろうか。
まず押さえておくべき点は、最初の「ニコニコ動画(仮)」の時点では「YouTube、AmebaVisionの動画上にコメントを書き込む機能しかなかった」という点だ。
実は当初、いろいろな機能を盛り込んだほうが面白いのではないかというアイデアは、開発陣の中でもあったのだという。
ドワンゴ ニコニコ事業部第一セクション セクションマネージャーの中野真氏「単純にコメントが流れるだけじゃなく、もっといろんなエフェクトを付けたら面白いんじゃないかとか、絵が流れたら面白いんじゃないかとかいう話があったんですが、それらはあえて省いています。もっと高度なことをやれたんですが、機能はあえて厳選しました」とニコニコ動画の最初のプロトタイプを作成し、現在は企画運営に携わるドワンゴ ニコニコ事業部第一セクション セクションマネージャーの中野真氏は話す。
機能を複雑にしなかったのは、ユーザーが何をしていいか分からなくなって使うのをやめてしまう、という事態を避けるためだ。
「ユーザー側の行動の選択肢が増えると、『そのどれも選択しない』という選択肢まで増えてしまうんです。そうするとユーザーが逃げてしまうので、誰が見てもすぐに使い方が分かるように、できることをまず絞るということに注意しました」(ニコニコ動画の現在の基本システムを作ったドワンゴ 研究開発部 技術支援セクションの戀塚昭彦氏。なお現在戀塚氏はニコニコ動画の技術サポートを中心に手がけている)
これは同時に、「動画の上にユーザーがコメントを載せあう」という、ニコニコ動画ならではの機能をわかりやすく伝えることにもなった。
12月6日、東京証券取引所でセミナー「大学発ベンチャーの成長とIPO実現に向けて」が開催された。かねてより大学発ベンチャーのIPOモデルの構築に向けて共同研究を行ってきた東京大学産学連携本部と東京証券取引所が主催したセミナーだ。
講演は二部構成となっていて、第一部では「イノベーションと大学の役割」というテーマで、スタンフォード大学名誉シニアフェローである一橋大学名誉教授の今井賢一氏が、いかに大学発の技術が社会に変革をもたらしうるかについて、アメリカの大学の実例などを挙げながら講演した。
続いて、「IPOに向けた大学発ベンチャーの可能性と課題」と題された第二部では、日本における大学発ベンチャーならではの可能性と課題が議論された。
第二部のパネリストは、大和総研参与新規産業調査本部本部長の鈴江栄二氏、東京大学エッジキャピタル代表取締役社長の郷治友孝氏、監査法人トーマツ代表社員の北地達明氏、野村証券公開引受部長の石井巨道氏の4人。モデレータは東京大学産学連携本部事業化推進部長の各務茂夫教授と株式会社東京証券取引所上場部上場推進室新規上場サポート担当統括課長の谷内雅史氏の2人が務めた。
各パネリストの自己紹介のあと、モデレータである各務氏と谷内氏によって、東京大学と東証による共同研究の進捗報告があった。とりわけ、2007年6月にマザーズ上場の手引きQ&Aに「大学発ベンチャーについて」が新設され、@上場時に知的財産権の専用実施権を得ていれば譲渡されていなくても問題にはならないA研究者がベンチャーの役員を兼務するにあたっての注意事項B株式等の売却換金に関わる手続き――の3項目が明記された(ただし項目Bは、2008年1月に追加予定)。
このQ&Aの設置に対して、各パネラーは、それぞれの立場から意見を述べた。
まず石井氏は、引き受け証券会社の立場から、「上場準備をしている会社にお願いしたいのは、マニュアルが絶対視しすぎないようにしてほしい。上場審査の基準があるが、なぜそういったものが求められているのかを考え、その原理原則に立ち返るべき」と述べた。
また、北地氏は公認会計士の立場から、「有価証券届出書」の書き方について、「大学のプロトコルが分かっていないと混乱するだろうなと思うことが多い。海外の投資家はなおさらです」と分かりづらい届出書が多いことを指摘した。
一方、鈴江氏は「これで大学から特許の譲渡を受けられずIPOできないという悲劇が回避された。大学ベンチャーを特別扱いすべきではないが、制度的な問題点を改善するのは重要」とQ&Aの新設を評価した。
ドリコムは12月11日、ジェイケンとともに、携帯電話でオリジナルの待受画面やメニュー画面を作成できる「みんなのきせかえ ユーコレ」の提供を開始した。
ユーコレは、NTTドコモのきせかえツール機能に対応したiモード端末から、ユーコレが提供する「ドットエディタ」を利用し、ユーザーがオリジナルの待受画面、メニュー画面、電池・電波アイコンなどを作成して利用できるサービス。テンプレートの選択と画像のアップロードのみで作成できる。
また、ユーザーが自分で作成したコンテンツをユーコレで公開、共有することで、ほかのユーザーも利用できる。
これまでジェイケンでは、「J研」をはじめとした音楽コンテンツのCGM(Consumer Generated Media)サービスを運営している。4月に、ドリコムグループに加わったことで、音楽分野のみに留まらないエンターテイメント分野のCGM サービス運営を視野に入れており、第一弾サービスとしてユーコレを開発したとしている。