瀬井裕子(編集部)
2007年上期は、ベンチャー市場のさまざまな企業やサービスを紹介してきた。ここでは夏休み特集と題し、2007年上期に話題になったベンチャーの企業名に焦点を当て、順に紹介していきたい。
編集部が選んだ企業名は以下の10社。さて、読者のみなさまはどの企業名がユニークだと思われるだろうか。13日から19日の1週間で、人気企業名ランキングを実施する。読者のみなさまが「ユニークだ」と感じた企業名は上にある緑色の企業名あるいは右にある茶色の企業名をクリックしていただき、アクセス数の集計結果を後日発表する。
以下、企業名のアイウエオ順に紹介。
動画・写真共有サイト「フォト蔵」や映画情報の「映画生活」を運営するウノウは、日本語読みの右脳(うのう)をもとに名づけられた。右脳は芸術や創造性を司る脳と一般的に言われていることから「創造力を最大限に生かし、インターネットを通じて、おもしろいこと、楽しいことを提案していく」という思いを込めているという。
遊び心を忘れずにソフトウェア開発に取り組むサルガッソー。サルガッソーとはそもそも、ホンダワラという種類の藻の名前。この藻にちなんで「サルガッソー海」と呼ばれる北大西洋のバミューダ近辺の海域では、うなぎがこの藻を食べて育つという。さまざまなアイディアが生まれる中心になるように、との思いを込めて同社はサルガッソーと名づけられた。
ちょびリッチの名前が生まれたのは、創業メンバーが借りていた部屋の一室。ポイントサービスを主な事業とするため、もともとは「利用者が少しでもお得に買い物できるように」と、「へそくり」や「クリック」を使った名前を考えていたという。残念ながらドメインを取得されていたため、夜中になんとなく会話をしながら「ちょびっとリッチ」なちょびリッチとなった。ちなみに「ちょこっと」や「ちょっぴり」などは全く思い浮かべず、一発勝負で決定した。
モバゲータウンで一気に有名になったディー・エヌ・エーは、アルファベットでDeNAと綴る。この意味は遺伝子のDNAとe-コマースの組み合わせ。e-コマースの新しい遺伝子を世の中に広めるDNAでありたい、と思いを込めて名づけられた。もともと同社は、オークションが主力事業だった。
業界標準を意味するデファクトスタンダードは、起業当時大学生だった社長の武永氏が「直感で」名付けた。武永氏の担当教授が日経新聞でコラムを連載し、何度もデファクトスタンダードという言葉を使っていたのだという。「(具体的に何をできるかはまだ)分からなかったが、とにかく何かの部分で業界標準になりたいと思って」迷わずこの名前に決めた。
未来検索ブラジルの名前が生まれたのは、「社名を決めるぜ!」というある日のファミレス。「映画の『未来世紀ブラジル』をもじったものにしようと誰かが言い出して「それにしよう!」と盛り上がったんです」。映画は、個人情報を管理する情報省がゆがんでいくことで、主人公のサム=ラウリー(ジョナサン=プライス)がおかしくなるという社会風刺の映画だが、「僕らは、みんなが便利で幸せになれるといいなと思っています」。
その他、ユニークな名前の企業としては、ニワンゴ、未来予想、野心満々、ワクワク経済研究所なども挙げられる。
さて、読者のみなさまはどの名前に魅力を感じるだろうか。
CNET Japan 編集部
ファンコミュニケーションズは8月9日、同社が提供するアフィリエイトサービス「A8.net」のアフィリエイトサイト会員用の管理画面として、携帯電話機からアクセスできる専用サイト(http://support.a8.net/as/mobile/)を開設したと発表した。
会員の「移動中なども携帯電話から管理画面に手軽にアクセスしたい」という要望に応えたもので、通勤通学途中や移動中、出張中など、パソコン環境がない状況でも携帯電話機からA8.netの管理画面へアクセスし、各種レポートの確認やプログラム検索、提携申請などの作業が可能となる。
ファンコミュニケーションズは、今後も会員の利便性につながるシステム開発などを進め、サービス向上に努めるとしている。
ロックオンとペイジェントは8月10日、EC展開を検討している顧客のEC化支援を目的として業務提携したと発表した。
この業務提携により、ロックオンが提供するオープンソースECパッケージ「EC-CUBE」に、ペイジェントの独自の電子決済サービスの接続モジュールを標準搭載し提供する。個別のインテグレートには、現在60社を超えるEC-CUBEのインテグレートパートーを紹介することで、個別にニーズに対しても適切な予算で提供することが可能となる。
ペイジェントの「EC事業者向けサービス」は、複数の決済手段を効率的に導入できることや、通信の暗号化や3Dセキュアによるクレジットカード不正利用防止など、大手銀行と同等レベルのセキュリティを装備すること、決済会社のサイトにリンクして決済を行うリンク式とは異なり、各ECサイトの中に決裁機能を組み込んで決済サービスを利用できることなどが特徴となっている。
ペイジェントでは、三菱東京UFJ銀行との連携でEC事業者の開拓を推進していることから、今回の業務提携によりロックオンはEC-CUBEの普及を狙い、ペイジェントは大口のカード決済顧客の開拓を見込むとしている。
2006年11月。湘南で学生とIT関連企業社員という二足のわらじを履いていた小林慶太氏は、2週間ぶりに連絡してきた知人の報告に驚いた。
「できましたよ」
連絡してきたのは福島工業高等専門学校(高専)の大澤昇平氏。小林氏は2週間前、大澤氏から「開発した新型検索エンジンを事業化したい」と相談を受け、「事業化にはもう1つの対となるサービスが必要」とアドバイスをしていたばかり。
開発に2〜3カ月はかかるだろうと考えていたサービスがすでに、しかも十二分な完成度で仕上がっている──。
「起業か就職か」と思い悩んでいた小林氏は、大澤氏の技術力に背中を押されて起業を決意。2007年5月、Curioを設立した。
Curioの主力サービスは「Swimmie(スイミー)」と呼ばれるソーシャルブックマークサービス。慶應義塾大学在籍中、KLabで携帯電話向けサイトのプロデューサーを2年程度経験していた小林氏だが、意外にも初の起業に選んだのは携帯電話関連サービスではなく、PCベースのWeb 2.0的なサービスだった。
将来的には携帯電話向けサービスも提供する計画ではあるが、Curioは向こう1年間、このSwimmieを主力に事業展開する。
小林氏が未知の領域で初めての起業を試みたのは、冒頭の2006年11月、大澤氏との出会いの場で目にしたあるサービスがきっかけとなった。
初対面での名刺交換後、間もなく大澤氏は自身で開発した検索エンジン「netplant (ネットプラント)」を披露し、小林氏からの意見を求めた。
netplantはそれぞれのサイトにタグ付けし、そのサイトの内容に合致したタグを検索することで、極力ノイズを抑えて精度の高い検索結果を利用者に提供しようというサービスだ。従来のページランクによる検索と比べ、より人間との会話に近い検索結果を表示できるようになる。意味付けされたページで今までにないさまざまなサービスが可能になる「セマンティックウェブ」の方向性を意識したサービスと言えよう。いわば「セマンティック検索」と呼べるサービスだ。
しかし、小林氏はすぐに問題点を指摘した。検索をする上で重要となるタグのデータ収集プランが甘かったためだ。方法論が優れていても、それを実現に結び付ける基盤が強固なものでなければ、サービスの事業化も望めない。
そこで小林氏はその場で、ブラウザに組み込むタグベースでのソーシャルブックマークサービスを提供し、そこからデータを収集すればいいのではないかと助言。さらに話を具体的に詰め、「FireFox」の追加機能として新たなブックマークサービスの開発を勧めた。
この出会いの場でやり取りされて生まれたソーシャルブックマークサービスが、Swimmieである。
これをきっかけに、小林氏は大澤氏の技術力を、大澤氏は小林氏の的確で鋭い判断力を互いが認め合い、Curioを設立。2人は次世代検索エンジンの本格展開に向けた一歩を踏み出した。
「はてなのように、Curioだったら何か面白いサービスを提供してくれるに違いない、と思われるような会社になりたいんです」(大澤氏)