島田昇(編集部)
独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は2月27日、東京・秋葉原で「第9回情報通信ベンチャービジネスプラン発表会」を開催した。
IT関連ベンチャーの認知度拡大や交流の場を提供する支援事業と位置づけたもので、今回から新たにベンチャー業界の著名人を招いたパネルディスカッションもプログラムに加えた。
参加したのはビジネスプランを発表した企業6社(表参照)、展示のみ企業13社の計19社。ビジネスプラン発表ではモバイル関連や3D技術を駆使したサービスのほか、インスタントメッセンジャーやユニークなセキュリティ対策ソフト、結婚式に特化した業務管理システムなどが披露された。
| 社名 | サービス名 |
|---|---|
| K sound design | ケータイムービー共有サービス「Moo」 |
| リモーション | 携帯用ブログ&SNSシステム「リモログ」 |
| Qript | ビジネス向けインスタントメッセンジャー「Yocto」 |
| スプリューム | 3Dコンテンツ閲覧ソフト「CRブラウザ」など |
| ビヨンディット | 情報漏えい防止ソフト「CrypType」 |
| ウィジット | ブライダル業界向けシステム「Something4」 |
パネルディスカッションはビジネスプラン発表を挟んで「大手企業とITベンチャーのアライアンスのあり方」「ネットビジネスは今後どのように展開するのか?」──の2セッションが行われた。
前者はIBM Venture Capital Groupの勝屋久氏がモデレーターを務め、大手企業でベンチャー投資を担当するNTTレゾナントの佐藤栄司氏、富士通の徳永奈緒美氏、マイクロソフトの長井伸明氏──の3氏が各社の投資概要を説明し、投資基準で最も重要なことは「タイミングと経営者の人柄」であるとの意見で一致した。
もう1つのパネルディスカッションでは三菱UFJリサーチ&コンサルティングでベンチャー企業などの調査研究に従事する渡辺洋行氏がモデレーターを務め、CGM(消費者生成メディア)関連ツールを提供するアライドアーキテクツ社長の中村壮秀氏、投資コンサルティングを行う本荘事務所代表の本荘修二氏、シーネットネットワークスジャパンが運営する「CNET Japan」編集長の西田隆一──の3氏がCGMを中心に議論した。
特に、CGMが社会的に大きな影響力を持ち始め、大企業もその流れに注目し始めている現状に話が集中。こうしたネットの新潮流を部分的な問題として捉える人が多い中、「広告のROI(投資対効果)は下がり続けており、どう顧客と付き合うべきなのかという大問題に直面している」(本荘氏)と、CGMなどネットの新潮流はマーケティングの根幹を左右する大きな問題であるとの見解が示された。
シーエー・モバイル(CAモバイル)は2月28日、電通、サイバー・コミュニケーションズ(cci)とともに、ポイント付与型モバイルCMの実証実験を開始する。
CAモバイルが運営するモバイルポータルサイト「ixen(イクセン)」上に設置された「ixenムービー」コーナーにおいて動画広告を視聴し、アンケートに答えたユーザーにixenポイント「Berry(ベリー)」を付与する。CAモバイルの新サービスとなるixenは、モバイルユーザー向けの総合ポータルサイトで、モバイル検索のほか、ニュースや天気、占い、ゲーム、着メロ、オークション、アバター、地図といった情報や機能を、無料で提供。Berryポイントは着うたのダウンロードなどに利用できる。
今回の実験では、電通が開発し、日本で特許を取得している「オファー型広告システム」を活用する。オファー型広告システムはユーザーの端末に広告を表示するかどうかを選択する画面を表示し、視聴された数に応じて視聴への対価を変動させるシステム。ユーザーは提示された対価に納得した場合のみ視聴するため、満足度が高まると電通では説明している。
KDDIのWIN端末(一部機種を除く)を対象に実験を開始。ポイント付与型モバイルCMの広告効果を、ユーザーの視聴動向や反応を見ながら効果を検証する。
jig.jpは2月28日、セレスとの提携を発表した。セレスが運営する携帯電話専用のポイントサービス「モッピー」とのポイント交換により、携帯電話のブラウザでPCサイトが閲覧できる「jigブラウザFREE」の閲覧可能ページ数を追加できるようにする。
モッピーは700以上の公式サイトおよび一般サイトへの登録、40以上のショッピングサイトでの約50万アイテムの商品購入、およびモバイル広告の閲覧でポイントを貯めることができ、貯めたポイントは現金や電子マネーに交換できる。
jig.jpが提供するjigブラウザFREEは、無料で利用できる携帯電話用のフルブラウザ。ドコモのmova504i以降に対応し、フルブラウザが標準搭載されている機種でなくても、アプリケーションをダウンロードしてPC表示向けのサイト閲覧ができる。
jigブラウザFREEは1日10ページまでのサイト閲覧制限があるが、今回の提携により、モッピーのポイントを利用して閲覧可能ページ数を追加できる。
交換レートは1ポイント=1ページとし、10ポイントから利用可能。jig.jpでは、今回のサービス開始により、ユーザーがそれぞれのニーズに合わせてjigブラウザFREEを利用できるようになるとしている。
PC向けアフィリエイトプログラム「JANet(ジャネット)」を展開するアドウェイズは2月28日、ドロップシッピングサービスを提供するもしもと業務提携し、JANetの会員向けに、ドロップシッピングを通じたネットショップ開設サービスの提供を4月末より開始すると発表した。
JANetは、ネットユーザーが、自分のホームページやブログに広告を掲載し、その広告を見た他のユーザーが会員登録や物品購入をすると、広告収益を得ることができるアフィリエイトサービス。現在のメディア数は約10万3000サイト、広告主数は約900社となっている。
今回の提携により、JANet会員は、JANetのJANetの管理画面からアフィリエイトだけでなく、もしもの ドロップシッピングサービスを利用できるようになる。
販売できる商品は、美容・コスメ、ファッション雑貨、健康食品など約2万1000点。会員は商品の卸価格に自由に手数料を乗せて販売価格を設定し、その手数料を自らの収益にできる。代金の決済、配送、カスタマーサポートはもしもが行うため、会員は気軽にネットショップを開設し、収益を上げることができるという。
両社は今回の提携を通じて、1年間で商品販売金額5億円を目指すとしている。
携帯電話向けコンテンツ配信大手のフォーサイド・ドット・コムは2月28日、2006年12月期(2005年11月―2006年12月期)の連結業績で、最終損失が606億4200万円になる見込みであることを発表した。同社は2006年6月、第2世代携帯電話向けコンテンツ配信からの撤退に伴う特別損失208億円を計上しているが、これが545億円まで膨らむ見通し。
フォーサイドは同時に、欧州事業を統括する全額出資子会社iTouch Holdingsを売却することを明らかにした。iTouch Holdings子会社の元CEOが代表を務める会社に、グループ企業65社の株式を含む資産を譲渡する。譲渡価額は76億円で、iToch Holdingsへの貸付金42億円も回収する。
また同社は、2月下旬に予定していた2006年12月期連結決算の発表を、最長で3月中旬まで遅らせると発表した。iTouch Holdingsへの貸付金を、貸倒引当金繰入額として引当て計上しなくなるのに加え、iTouch Holdingsの売却手続きと決算手続きが重なったため遅れが生じ、フォーサイドの決算数値を確定できないためとしている。有価証券報告書については3月30日までに提出する予定。
フォーサイドでは今後、国内事業に経営資源を集中し、2007年12月期には単体での黒字化と事業基盤の再構築を完了するという。