2007年5月25日 08時00分
石田朝子(未来予想 パートナー)
みなさんの会社では、計画値に対しての乖離分析はできていますか? 売上達成率が○○%、営業利益率が○○%……この程度で終わっている場合には若干浅はかな管理とも言えます。計画に対しての乖離分析、ならびにその対処方法を議論することが最も会社運営では重要なタスクであるといえます。
第二回のコラムで事業計画の必要性を記載しましたが、そもそも事業計画を策定する場合には、売上や受注などをどんぶり勘定でまとめてはなりません。会社毎にその受注や売上を構成する重要指標があるはずです。
例えば、インターネットで会員制のEC物販をしている会社が以下の式で計画を策定したとします。
(売上高)=((総会員数)-(退会者数)-(休眠会員数))×購買率×平均単価
達成率というのは上式の左辺を主に表現しますが、その乖離分析は、上式の右辺のそれぞれのパラメータが計画に対してどうであったか? それはなぜなのか? 今後どう対処していくのか? ……これを関係者は徹底的に議論していかないといけません。
そして、いくつかあるパラメータの中で、その会社にとって最も重要な(絶対的に死守するパラメータ)は何であるのかを見極めて、そのパラメータを成長させるために必要な投資をしていくことが重要だといえます。まさにこれが『経営の選択と集中』を1つ実現していることになるのではないでしょうか。
会社の規模やその方針によって様々ではありますが、一般的には、月に一度、定例の取締役会を実施し、前月の月次試算表などから会社の成績に対して、予算に対しての報告をすることが多いようです。前述したパラメータのトレースは、事実上、毎日でも実施する、最低でも週に一度は実施していくのがよいと思います。
無論、部門単位での会議で実施することにはなりますが、パラメータの積み上げこそが売上高につながるわけで、変化の多いベンチャー企業においては、月に1度の取締役会での議論や、数字把握では対応が遅れてしまう可能性もあります。部門単位でテコ入れをする範囲であれば、積極的なトレースを実施するクセを全社員に浸透させてみることがよいと思います。
そのためにも事業計画をつくる際には、厳密な因数分解をし、自社の数字の構成パラメータを選定し、さらに、そのパラメータ毎の責任者を会社内で決定する、ということにより、この予実管理という業務は経営陣のみの言葉ではなく、全社員の日常業務にすりこまれていくことになるでしょう。
また、よく上場企業の上方修正や下方修正のニュースなどでも、修正金額の表示に必ずその理由が添えられています。なぜ、その乖離が発生したのか、その乖離は解決可能なものであるのか、もしくは事故的なものであったのか、最初から予見できたのではないか? この点を投資家は非常に厳しい目をもってチェックしてきます。これは上場を目指すベンチャー企業にとっては、練習として日常業務にいれておくことが非常に重要であり、その最高機関である取締役にいたっては、売上や受注金額の乖離は、なんのパラメータの変動により現れたものであるのかを正確に把握する仕組みを社内で早期に構築していきましょう。
上場審査時には、予実達成状況を非常に厳しく審査をされることになりますが、一言で予実達成率だけを見ているわけではありません。
このあたりを総合的に審査されることになります。繰り返しになりますが、会計等にフォーカスした内部統制という表現よりも、ベンチャー企業にとっては、その会計を出力するまでの適正な数字、業務運用に重点を置くべきであり、前述した運用をまめに実施することで、会社の人数が急に増えたときや、事業軸が増えたときなどには、ストレスなく運用が実施されることになります。
実は、当社が推し進めているベンチャー企業への内部統制にも必ずそのゴールには予実管理という業務を位置づけています。提供中のASPシステムのMiraizも、実は、概念上は最終的なアウトプット情報を予実管理情報として設計をしております。
みなさんの会社でも常に関係者が予算と実績値をリアルタイムで把握することにより、常に緊張感を保った運営をすることを推し進めることで、成長をささえる管理面意識をたかめることでその継続性をより確度を高める運用をしていただくことをご提案いたします。
Miraizを利用した予実管理※本コラムは毎週金曜日(祝日を除く)に掲載します。
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