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2007年5月18日 16時34分

実は「最重要項目」ですよ--正しい会議の管理方法

石田朝子(未来予想 パートナー)

取締役会の必要性

 取締役会は会社の重要事項をすべて承認しなくてはなりませんが、ここでは単に議事録を作っておけばよい、ということではありません。

 その承認に際して、どのようなプロセスをとったのか、その判断材料は何だったのか、取締役会としては反対意見や質疑があったのか、どのような承認を取ったことにより、業務決定をしていったのか──。これをすべて議事録に文書として残す必要があります。

 取締役会というのは、株主から経営を委任されているわけですから、仮にその経営に賛否があった際には、いかなる理由でその意思決定をしたのかを適宜説明しなくてはいけません。したがって、その承認事項だけではなく、プロセスも文書に残す必要があるわけです。

議事録管理ってどんなもの?

 議事録管理には、まず議事録を作成するところから入ります。議事録ですから、通常の会議の議事録と原則は同じです。誰がいつどこで会議を行い、何をどのようにきめて、それを文書にまとめてハンコを押す──というものです。

 ただし、この議事録はその承認内容によっては、新株を発行する際、登記事項を更新する際、役員を追加する際──など、あらゆるケースにおいて第三者からの要求されることがままあります。

 そこで今回は、具体的事例として議事録サンプルを交えてまとめてみようと思います。

議事録のサンプル

 まずはこちらの「議事録サンプル」をダウンロードしてみて下さい。ケーススタディとして、「期中で取締役を新任で就任させたい場合」のものです。ここで必要となる議案は、下記の通りとなります。

・取締役会で新任取締役候補者として承認する

・取締役会で臨時株主総会の開催を承認する

・取締役会で臨時株主総会での新任取締役選任の付議事項として扱うことを承認する

・取締役会で臨時株主総会の開催日、開催場所、召集方法、基準日、公示方法などを承認する

・臨時株主総会を開催して新取締役の就任を承認する

・取締役会で新任取締役の役員報酬を承認する

・取締役会で新任取締役を含めた継承順位を承認する

 一言で言うと、「取締役を新しく追加する」だけにも関わらず、議事録ではこれほどに議案を作らないといけないことになります。

 さらに、この新任取締役にストックオプションを付与するとか、会社自体を増資するとか、さまざまな議案があった場合には、取締役会の議事録と、株主総会の議事録、また、それぞれの時間軸との整合性──。非常にやっかいなものです。

 毎回、経営陣の頭の中で誰の承認をとって実施をしていったのかを整理しながら進めなければ、これらの議事録がきれいに整理できるものではありません。つまり、議事録1つを見れば、その会社がしっかりと取締役会の運営をしているのか、それとも、適当に文書だけつじつまを合わせたのかは、ある程度見破れてしまうわけです。さらに、取締役個別のヒアリングなどをしてしまった際には、議案の承認事項とのつじつまがあっていないことや、承認した記憶のないことが議事録にのっていて捺印までされているとか──。

 仮に、皆さんの会社で「上場準備という言い訳」でつじつまあわせだけの議事録をまとめていたとしたら、そのまとめは「議事録文書」のまとめだけでなく、取締役や事務局スタッフの「記憶や承認時間軸までをも整理」することをお勧めいたします。そして、直近以降の取締役からはかならず手順を追って承認行為をしていって下さい。

具体的な議事録の整理方法

 上記のように、取締役会の会議管理でも非常に重要なことです。さらに、会社が数年にわたり運用されていくと、もはや「いつ、誰と、何の議案」を議論したのかは覚えられるはずもありません。

 例えば、「○月○日の取締役会の議事録は?」とか、「○○○議案を承認した取締役会っていつだっけ?」「その議事録は?」──といった具合で議事録管理が整理されていないと、議事録を探すのに半日使ってしまうことになります。

 当社で提供している「Miraiz」という簡易ツールでは、会議の召集から、議事録管理、さらには議案単位での整理までもできる形にしており、当社支援先にはまずはこちらを使って整理整頓をし、その後、自社のオリジナルの管理をしていけばいいという作業進捗をご案内しています。

 もしこのツールにのっとって整理整頓されたとしたら、みなさんの会社の会議の整理はできたも同然です。そのような整理がされている会社は、議案に対して何をしなくてはいけないかということが頭にインプットされているはずです。新しい議事録はより適正に、よりスピーディーに作成され、いつ誰に見せても恥ずかしくないものに出来上がっていくことと思います。

 これを機会にみなさんの会社の取締役議事録、ならびに株主総会の議事録を過去1年分整理してみてはいかがでしょうか。文書や頭の整理のみならず会社の成長の履歴をみることができ、それはそれで感慨深い思いができるかもしれませんよ。

※本コラムは毎週金曜日(祝日を除く)に掲載します。

未来予想パートナー
石田朝子

1975年生まれ。埼玉県出身。教育者として中高一環教育機関での教師の経歴をもつ。その後、システム開発系のベンチャー企業への転身を機に人事労務を中心とした管理部門機能の経験を経て、現在、未来予想にて、ベンチャー企業向けの経営企画・管理・財務部門のコンサルティングならびに実務支援の専門家として活動をしている。

未来予想の主なベンチャー支援向けサービス:簡易内部統制診断「無料企業診断」、資金調達支援サイト「資金調達.bz」(登録無料)