2008年1月23日 12時58分
加藤さこ
「クリエイター志向を持つすべての人に役立つサイト」というコンセプトを、アテンション代表取締役である匹田岳人氏は、会社設立当時から漠然と抱いていた。それが2008年1月21日、「アテディア」という形となって実現した。
アテンションは企画・制作事業、クリエイターや映像制作スタッフ・コンポジターと企業のコーディネート&マネジメントの人材コーディネートを事業の核としている。そして、2008年から新たに業界初のマインドマップ共有型コミュニティサイト「アテディア」をオープンした。
匹田氏は「今までの事業は下積み的なもの。今回出すサービスは満を持して出した」と言い切るほど、この新事業に力を注いでいる。
匹田氏の思いは映像メディアに興味を持ったことから始まる。大手企業に就職して1年が経った頃、映像は世の中に対する影響が強く、メディアはこれからインターネットの普及とともに、どんどん新しいものができるだろうという考えを抱いていた。「それを自分で作りたい」
しかし、映像の世界は全くの素人。ゼロに戻って映像の専門学校へ通い、そこで映像のコンポジット、撮影から編集までを学び、技術者として1年半働いた後にアテンションを設立。卒業した専門学校と業務提携をすることで2000年に起業を果たした。
学校と業務提携していた頃の主な業務は、学校内に事務所を構えて卒業生の就職の斡旋、生徒の募集などをプロデュースなど。これによって、業界のさまざまな企業を見て問題点を研究する機会を得ることができた。そして、2000年に専門学校が経営上の都合で閉鎖されたことを機に、完全に独立した企業として新たなスタートを切ることになった。
学校に対してどれだけ役に立てるかということに謀殺され、目先のことを追いかけていた日々は、会社組織ではあるが、総合コーディネーターの事業部長的な存在だったと匹田氏は当時を振り返る。それがなくなったときが本当の創業だと実感したという。
まずは事業の軸となる人材派遣に注力し、クリエイターの派遣スタッフを増やしていった。しかし、ただの派遣会社ではなく、自らメディアを作って発信していきたいという思いがあった。
「小さい会社が一からプラットフォームを始めてもうまくいかないでしょう。時代が変わっていく中、変化に対応するのが厳しい。変化に強い会社を作るには、クリエイティビティの高い人となるべくたくさんコンタクトをとれるようにして、時代のエッセンスに合う人たちと核になって発信していく会社にしたいと思いました」(匹田氏)
そして、2006年11月。技術スタッフとの話し合いをしているときに、「アテディア」の原型となるアイデアが浮かんだ。それは「クリエーターがセルフプロデュースでき、プロジェクトごとに仕事を作っていけるサイト」だった。ブロードバンドが普及し、携帯電話が生活の一部として定着してきた。ネット環境の変化に伴い、一般の人が手軽にWebで動画をアップロード、ダウンロードできる。時代の変化が匹田氏の背中を押した。
アテディアは匹田氏自身の経験が活かされている。クリエイターとしてカリスマ的にはできない。実際、「アテディア」を構想する際、ひとりではなく、コミュニケーションをとりながらアイデアを膨らませていった。これが「マインドシェア」という発想につながった。
また、今後はクリエイターが人から受注して待ちの姿勢ではなく、自分から何ができるかをアピールしていかなければならない時代になると匹田氏は読んでいる。クリエイターのフリーランス志向が高まる昨今では、、自らプロデュースして仕事を集めなければ単なる作業者として陳腐化していってしまいがちになる。これを解消していくような仕掛けを作れば、受け入れられるだろうと考えた。
アテディアは日ごろ考えているアイデアを溜めることができるのが一番の売りの機能だ。アイデアは電車の中で閃くことも多く、忘れてしまうこともある。そのようなときに携帯端末から思いつきを「アイデアポッド」に投げておく。あとからマインドマップでアイデアをまとめ、「マインドシェア」という機能で編集し、保存することも可能だ。マインドシェアでは、キーワード検索があり、別の人が考えたマインドシェアを調べられる。この検索ではアイデアの相似が優先されて多角表示されるアルゴリズムだ。
登録ユーザーにはマイページが与えられ、任意でプロフィールなど情報経歴を掲載できる。ここではパワーポイントのようなプレゼンテーションができ、自分をプロデュースできる仕掛けになっている。シェルフという機能では、自分の作品である動画、画像、音楽ファイルなどを制限付きで公開し、ジャンル分けとして自分でタグを付けられる。また、本人が許諾すればダウンロードもできる。
作品を見る人には、プロフィールで作者の考えがわかり、どんなことをを考え、何をしているのかが伝わり、SNS機能によって相似したアイデアを持つ者同でつながることができる。相手が遠方に住んでいる場合にも、一緒に仕事ができるか尋ねたいときにskypeを利用してコンタクトを取ることが可能だ。
アテディアをマインドシェア機能だけに特化させないのは、作品を作らなくても登録したユーザーから発想をもらうことができるという考えからきている。そして、興味を持った作品を紹介していくということで、アイデンテティを友達に出していくことができる。このような発想は文化的に定着してきているので、マインドシェアの面白さを十分広めていけると匹田氏はいう。
マインドシェアについては、敷居を下げて多くの人に面白さを知ってもらい、さらに仕事で使えるようなものとする。これが第一弾と匹田氏は捉えている。クリエイティブ志向の強い人にアプローチし、その後はクリエーター、一般の人を取り込んでいきたいと匹田氏。ビジネスモデルとしては、マインドシェアの機能をBtoBとしてビジネス寄りなフィールドで活用をしてもらえるような展開を目指すことが今後の課題となるようだ。
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