2007年8月3日 20時25分
島田昇(編集部)
8月2日、SEO(特定サイトの検索結果を上位に表示させる技術)を軸にネットでの集客支援事業を行うフルスピードが、東証マザーズに上場にした。
2007年7月期の連結業績予想が売上高で前期比2.8倍の50億8800万円、経常利益が同2.3倍の8億円という成長性から、上場初日に公開予定価格を60%上回る価格で値を付けた。新興市場におけるIT関連銘柄への不信感が漂う中、まずは市場からの評価を得た格好だ。
ただ、SEO、リスティング、アフィリエイトを軸とした事業モデルは新規性に乏しいと言える。競合他社も多い。SEOという安定的な高利益率事業をベースにしながら、今後いかに競合他社と差別化を図っていくかが、同社にとって大きな課題となる。
これまでのSEOを中心として事業戦略、今後の成長戦略などについて、同社代表取締役社長の芳賀麻奈穂氏に聞いた。
当時は電話営業中心のスタンスで、ホームページにもSEOのことは書いていませんでした。影でこっそりと進めてきましたから。
1年4カ月前からオーバーチュアの推奨認定代理店になり、リスティング広告は当社にとって第2の収益源となりました。ただ、SEOもさらに積極展開していまして、SEOの売り上げは月間で1億、年間で10億円規模と成長を続けています。
だと思います。未上場で当社と同等のレベルにある企業が存在するかもしれませんが、上場企業ベースで見れば2位の企業に2倍以上の差をつけています。
当社はわたしが学生の時に設立した会社なのですが、90年代後半から家庭教師の紹介サイトを運営していて、そこでSEOの技術を身に付けていきました。
家庭教師の紹介サイトで一番悩んだのは集客でした。そこで「自分なら探し物は検索エンジンから始めるな」と思い、当時あった複数の検索エンジンを片っ端から研究しました。すると、ほとんどの検索エンジンの検索結果で運営する約10サイトを検索結果の上位に表示できるようになりました。
ところが、どうしても検索結果で1位になれなかった検索エンジンがありました。それがGoogleです。「何だろうこれは」と思いつつ、海外のGoogle関連サイトを徹底的に調べ上げていくうちに、いつの間にかそれが事業化につながっていたのです。
上京して2001年末から東京で家庭教師の紹介サイトを売り込んでいたのですが、みなさんそれよりも「このサイトがどう集客しているのか」というところにご興味を持たれたんです。結果、2002年の6月に最初のSEOを受注し、「これは仕事になるな」と事業化を決断しました。
そうですね、ほかにもアウンコンサルティングなど先行企業の後を完全に追いかける感じで営業していきました。それでもうまくいったのにはいくつか理由があります。
1つは成功報酬型という料金体系で展開したことです。これが当時は珍しかった。我々は自社で10〜20のサイトを運営し、そのほとんどを上位表示できていたのでリスクはないと判断しましたが、「SEOは必ずしも順位が上がるとは限らない」と考える利用者に受け入れられ、広まっていったのでしょうね。
また、2004年から2005年くらいから急激に伸びてきたわけですが、ここでは販売手法の見直しを随時行いました。まずは自社と代理店経由を使った本格的な営業活動を開始し、2005年の8月からは直販営業を強化。この手法がうまく売り上げ増をけん引していきました。
基本的にはすべてわたしが戦略を立てました。もちろん、財務や経営管理の人間は途中で入れましたが、2005年頃から正式にベンチャーキャピタルと接触し始めても、ハンズオンではない自由な経営というスタンスを貫いてきました。
あえて言えば、昔から負けず嫌いな性格が奏功したのかもしれません。それに加え、「SEOをやっているとGoogleに強い」と思われがちなので、そこからリスティング広告も自然な流れで開始できましたし、社員が増えてくるうちに上場を意識するようになり、2005年からは上場に向けたモデルを考え始めました。
最近では、当時の家庭教師紹介サイトを運営していたときのノウハウを生かし、新たにアフィリエイト広告のASP事業にも参入。後発ですが、6月実績で3300万円の売り上げ、7月は約5000万円と今後の成長が期待できる事業に育ち始めています。
これは集客に難のあるサイトを買い取り、SEOなど当社の集客ノウハウを活用して成長路線に引き戻すという戦略のものです。我々のノウハウがあればただで集客できるわけですし、サーバ周りのコスト削減ノウハウもありますから、比較的利益も出しやすいんです。
2006年から始めた新たな動きですが、今後もどんどんサイトを買って行きたいと思っています。
いや、携帯電話ではSEMはまだ早く、アフィリエイトは参入事業者が多すぎます。もう少し動向を注視する必要がありますね。
着目しているのは1to1のマッチング広告です。実はすでに開発中だったりするのですが(笑)
現時点で言えるのは、コンテンツマッチ広告よりも人を軸にマッチされるようなもので、また、行動ターゲティング広告のように履歴だけでその人の好みを提案するものではない、そんな広告手法を提案したいと思っています。リリース日はまだ決まっていませんが。
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