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ベンチャーの転換期には何が必要か?--2代表者体制にしたフォートラベルの狙いと今後

インタビュー:島田昇(編集部)、文:加藤さこ
2007年03月13日 21時09分


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2代表者体制で方向性が明確になった

--野田さんはその後、社長に就任してどんなことを手がけられたんですか。

野田氏:私は創業時の状態を知らないので、これまでの経緯を聞き、想像しながら3カ月間、会社を見ることに注力しました。

 そのときに感じたのは、創業者のパワーの強さです。どこの会社でもそうですが、特にネットサービスの会社は自分達の手を実際に動かして作っているので、誰よりもサービスに詳しく、想像力が豊かです。これは津田だけでなく、創業時のスタッフ全員に当てはまります。

 7人なら背中を見せればついてこれたことでも、20〜30人の規模の組織になれば、もっと明確な説明が必要になります。頭の中で描く構想を伝えるために、紙ベースに落とす、というのが最初のミッションでした。

--津田さんは野田さんを招いてからどのような変化があったと思いますか。

津田氏:野田にコーチングを受けて、頭の中に描いたものをドキュメントにするようになりました。社員と共有する役割を野田がやってくれるので、これまで以上に「サービスを作れる組織」を作りたいという気持ちが大きくなりました。

 フォートラベルは、「旅行記」を中心としたクチコミサイトだと思われている感が強いのですが、本来は旅行者にとって利便性の高い全般的なサービスを提供していきたいというコンセプトが軸にあります。

 旅行者だけでなく、旅行関連商品を供給するサプライヤー側にもニーズを満たすサービスを蓄積し、旅行者とサプライヤー、航空会社や旅行代理店、すべてを結びつけるプラットフォームを作りたい。これが会社設立当時からの目標でした。

 規模が大きくなってこれを忘れていた時期もあったのですが、野田のコーチングで何がやりたいのかを明確にし、引き出してもらうことができました。

 現在はユーザーが作るコンテンツ、いわゆるCGCが99%を占めています。ソリューションを満たすためには、現地の地図、通貨、現地の店舗情報など、客観的な情報をフォートラベルが提供していく必要があります。また、旅行商品の情報や現地のレストランのメニューなどは、サプライヤーから提供してもらうことが可能です。

 主観情報、客観情報、商品情報──このすべてを網羅し、旅行のデータベースを作っていくのが今後の目標です。

最先端技術は静観しながら様子を見る

--すべてを一極に集中させるのはWeb2.0的ではないように思うのですが。

津田氏:なぜ情報を集めるのかというと、検索技術があまり発達していないからなんです。旅行関連情報を網羅した見せ方は、現時点のグーグルを持ってしても無理です。将来、検索技術が発達したら、中に取り込んで集める必要はなくなるかもしれません。ただ、あと5年、10年はお話した方法で進める方が適切だと思います。

野田氏:データベースに依存するのではなく、ニーズを満たすことが重要です。ニーズを満たせるなら手段は問わないというわけです。最先端の技術を積極的に使っていないので、当社のサービスは地味に映りますよね(笑)。ただ、世の中の技術に飛びつかないことは大事だと思います。静観していられる余裕を持ち、取り扱える技術になったところで取り入れていけばいいんです。

津田氏:たとえば、Web2.0では「情報発信の仕組みはwiki」などの発想にこだわってしまいそうですが、利便性の面でwikiでは集めにくい情報というのもあります。重要なのは、はじめに技術ありきではなく、「技術が旅行と組み合わさったら、どう役に立つのか」という発想なんです。ニーズがあってこそのサービスで、技術ありきではないんです。

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