2006年10月17日 08時00分
インタビュー:西田隆一(編集部)
文:坂本和弘
国内最大級のニュースリリースポータルサイト「News2u.net」を運営するニューズ・ツー・ユー。同社は10月2日、フューチャーベンチャーキャピタル、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ、アクセル・ジャパン・インベストメント、伊藤忠ファイナンス──などを割当先とした第三者割当増資で総額4億3750万円を調達した。
News2u.netは2001年7月、国内初の企業ニュース配信のポータルサイトとして開設した。現在は企業のニュースリリースのほか、各企業の社長のブログを集めた「社長ブログ」やインターネットを使った広報のノウハウを紹介する「こちらIT広報室」などがあり、ネットを通じた幅広いPR支援サービスを提供している。
今回の第三者割当増資は、ニューズ・ツー・ユーの増資経験の中でも過去に類を見ないほどの規模。この資金を元手に、膨大な量の紙媒体を使って行われていた広告宣伝やIR、人材採用情報、各種情報開示──など従来型の企業情報を同社がいかに変え、強化しようとしているのかに注目が集まっている。
「企業は今までのような一方通行の広報宣伝活動ではなく、新たに顧客や関連企業と双方向でやりとりをするような方法を構築しなくてはいけない時期に来ている」と話すニューズ・ツー・ユー代表取締役社長の神原弥奈子氏に、今後の事業展開などを聞いた。
News2u.netのサービスを提供し始めてからすでに5年が経過しました。認知度もずいぶん上がり、ページビューも増え、企業のニュースリリースを自動更新する機能と、ニュースリリースをNews2u.net上に掲載するだけでなく、Exciteやlivedoorなどのサイトに配信するという当社のモデルが、企業にも浸透してきました。
今回の増資は、今後さらに多様化していくであろう企業のニーズに合わせられるようにシステムを大幅に強化することが第1の目的です。また、システムに関わる人材採用および教育などに使っていこうと思っています。特に技術者の拡充には力を注いでいくつもりです。
そうですね。とはいっても、もともと当社のシステムは自社内で開発しているので、今回が特別ということではありません。
最近はサイトを通じた受注も増えているので、特に営業面を強化していくという予定はありません。あくまでサイトを入り口にして、そこから依頼を受けるという形が基本です。
技術的に変えていくというよりも、まずはコンテンツをいろいろ変えていかなくてはならないと思っています。
今まで企業は、マスメディアを通じて一方向に情報を提供するだけでした。しかし今は、企業の情報を基に、これまで受け手であったユーザーが情報を生成・再発信し、それを他のユーザーと共有することで再構築していくCGMのようなメディア形態が一般化してきました。そういった環境の中で、信頼できる一次情報としての企業情報はますます求められるようになっています。
当社は、ニュースリリースを元にした編集記事などは一切作らず、企業が発信する情報を流通させるという機能に特化しています。当社は、オンラインサービス提供会社ですので、その部分をさらに強化していかなければならないと考えています。
サイトへのリリース掲載、配信前のリリース作成、配信後の効果測定といった、ニュースリリースのコンテンツ化を支援しているという当社のコンセプトから考えると、競合している企業はいないと考えています。あえて言うなら、今後は海外のサービスを意識しながら、サービスの補強や機能の充実などを進めていくつもりです。
どこかと手を組むといったことは今のところ考えていません。当社は過去5年間において、コンテンツ面でも技術面でも中立性を重視してきました。中立だからこそできるという点には今後もこだわっていきたいと思っています。
そうですね。今回調達した資金は、システムや人材面での強化だけでなく、マーケティングや啓蒙の分野にも使っていく予定です。特に啓蒙の面には力を入れていきます。この点については、「こちらIT広報室」や「ネットPR interactive」のほか、イベントなど当社が持つさまざまなサービスを活用しながら、優れた技術を持った方々と一緒にやっていこうと思っています。10月中には新たに「ネットPR.jp」というサイトを立ち上げる予定です。
それと、今後はIT関連企業以外のところにも、当社のサービスを活用してもらえるような環境を作っていこうと思っています。今までは説明不足だった、サイトの使い方などのサービスの紹介に関しても充実させていきたいですね。
サイトの運用に関して言えば、当社はずっとウェブサイトの構築運営をしてきた経験があり、ノウハウがかなり貯まっているのでなんの不安もありません。サイト運営の人数はあまり変えない状態で、サイトの規模を今の10倍程度にしたいですね。
ただ、当社はあくまでオンラインサービスを提供する会社であり、PR代理店ではありません。今後もその軸をぶれさせないようにしながら、年内から来年にかけて新たなサービスを提供していきます。具体的には、これからインターネット上で起こるであろう、コミュニケーションのリスクに対応できるようなサービスをいろいろ検討中です。ただ、基本的にはB to Bの路線は崩さずにいくつもりです。
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