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実際、若年層に対するフィルタリング強制加入行われた場合のケータイ関連事業への影響を考えてみようと思います。前回の続きです。


なんていっている間に、ついに、有害サイトアクセス制限サービス=フィルタリングに関する3キャリアの動きが出揃いました。現状発表されているデータを元にして、僕なりにまとめると

こういうことかと↓(間違っていたらごめんなさい。)

img1.gif

新規契約者へは、すぐにフィルタリングサービス原則加入が適用されるようになるわけですが、既存契約者の若年層ユーザは、キャリアから、親権者等に対して「お知らせ」がされて、期限までに、親権者等が、「よりゆるめのフィルタリングサービス」に申し込むか、解除の申し込みを行わない限り、一旦は自動的にキャリアデフォルトのフィルタリング(表の黄色い部分)が適用になるようです。

僕は子供がいないのでよくわかりませんが、子供がいたとして考えると、「有害サイトアクセス制限サービス」を解除したり、ゆるくしたりということを、積極的に行おうとは思わないですね。だって、「有害サイトアクセス制限サービス」を解除するということは、自分の子供に、「有害サイト」へのアクセスをわざわざできるようにするということになりますから。

ということで、結果として、18才未満のユーザのほとんどは、2008年8月以降、各キャリアの用意したフィルタリングが適用されて、公式サイト以外にアクセスできなくなる可能性が高いんじゃないかと予想しています。

これは、結構おおごとだったりします。まあ、影響でますよね。

現況の整理をすると、

まず、課金コンテンツビジネス。
かつてメニューリストに掲載されれば、メニューリストの集客力、求心力が圧倒的であったために、入会者が殺到し、キャリア課金でガバガバ会員登録とともに、お金が入ってくるというモデルから、一般サイトの急成長により、公式サイト、メニューリスト以外へのアクセスが急増し、中でも、SNSカテゴリの伸びが著しく、成果報酬制(アフィリエイト)広告という、よりリスクの少ない広告出稿手法が確立されたことと相俟って、SNSサイトへ広告出稿、大量会員獲得という流れができています。メニューリストの上位表示と同義もしくはそれ以上に価値があるのが、大手SNSにおける露出だと、同業CPのみなさんとよく話すくらいになっています。いくつかの大手SNSは、キャリア公式化も果たし、公式サイトにもカテゴリが作られるまでになっています。一部のキャリアでは、キャリア自らSNSのサービスを協業モデルで行うまでになっています。

このことは、ケータイ広告市場においても、大きな流れを作り上げました。キャリアメニュー、大手ポータルに匹敵するほど、SNSが会員とトラフィックを集めたため、ケータイ広告市場におけるSNS広告の占める割合は非常に大きなものとなり、ケータイ広告市場の拡大における牽引役となっています。

一方、キャリアが検索エンジンをメニューリストにインクルードしたことも、一般サイトへのアクセスが増加したひとつの大きなきっかけとなりました。アルゴリズムによる検索結果表示を徹底したことで、「着うた」というキーワードで検索したときに、「合法的に権利処理を行っていない配信サイト」が上位に表示されてしまうことがあります。あくまでも、一定のアルゴリズムに従っただけなんでしょうが、結果として、「合法的に権利処理を行っていない配信サイト」への誘導も行ってしまっていることになっています。

ちなみに、違法なケータイ向け音楽ファイルの規模でいうと、

日本レコード協会の「違法な携帯電話向け音楽配信に関するユーザー利用実態調査」によれば


音楽をフルサイズで提供する違法「着うたフル」の月平均ダウンロード数は、2006年に10代前半(12-15歳)で2.4曲だったのに対し、2007年には4.5曲とほぼ倍増した。違法着うた・着うたフルのダウンロード数は、年間で約3億9,900万ファイルと推定される。

らしく、2006年10月〜2007年9月の直近1年間の有料「着うた」「着うたフル」のダウンロード数3億2,700万なので、すごく大きな利益損失だったりします。

こう見ると、10代ユーザにフィルタリングが自動的にかかるようになって原則として公式サイトにしかアクセスできなくなると
1)公式サイトへのアクセスが増える
2)違法ファイルを落としていた人たちのうち、少しは合法的に手に入れようとする人が現れて、着うたフル、着うた等の市場が拡大する
3)若年層を対象とした合法的な一般サイトが公式化を目指す→公式サイトが急増する


→メニューリストの順位の重要度が復活する

→キャリア系広告メニューが売れはじめる

→クリック広告が復権する

→公式化支援ビジネスがはやる

ということで、昨日、「青少年向けの安全な携帯電話向けサイトの3キャリア公式化を支援」というプレスリリースを出させていただきました。お問い合わせお待ちしております。

なんだ、宣伝かよ!

ところで、SNSはどうなるんでしょうね。ケータイ広告市場の牽引役ですが。
規制対象になると、着うたフルとかの出稿はつらくなるなあ。

※このエントリはVENTURE VIEWブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および VENTURE VIEW編集部の見解・意向を示すものではありません。

田島満

田島満

アクセルマーク 取締役

1972年レバノン共和国生まれ。早稲田大学卒業後、リクルートに入社。新規事業開発室配属後、メディアファクトリー出向し、エンタテインメントビジネスに従事したのち、独立。その後、3Gケータイ向けコンテンツ配信スタートを期に2005年よりアクセルマーク株式会社に参画。取締役に就任し、現在に至る。