出井さんが主催されている日本取締役協会のエマージングカンパニー委員会は、あまりにもスピーカーと出席者の方が素晴らしく大変に勉強になるので、忙しくても出来るだけ参加するようにしています。そして、プラボ開始直前の3月もこの会に参加してきました。その回は、「わが国のコンテンツとメディアの法律問題と解決へのヒント」という題目で、水戸重之弁護士(TMI総合法律事務所パートナー)のお話で、2004年1月1日に施工された「改正著作権法」の話が出ました。同法は、映画の著作物の存続期間が公表後50年から、70年に延長するもので、1953年に多数生まれた日本の名画を守るために作られたものでした。しかし、法律の不備で、「2004年1月1日時点で著作権が存続するものについて適用する」となっていたため、2003年12月31日に著作権の保護期間が切れる1953年生まれの名画の著作権は保護されないことになったのです。文化庁は「2003年12月31日24時は、2004年1月1日0時と同じ時間であるから、1953年作品は保護される」と主張したようですが、地裁、高裁、最高裁全てでその主張は却下されました。裁判所の決定はもっともで、そんな主張を認めたら、次は、「2004年1月1日0時に存続したのだから、それは2004年1月1日に存続したこととなり、2004年1月1日24時は2004年1月2日0時と同じとなり・・・」というように何時までも永遠に伸ばすことが出来てしまいますよね。罪刑法定主義の日本では、特に規則は一語、句読点の位置、言葉の並び順、どれか一つでも間違えると、立法趣旨とは異なる解釈が可能となり、大変なことになってしまいます。この例はその典型例です。私は東京証券取引所で働いて際に、証取法や関連規則を作る仕事もしていましたので、この話は、身につまされました。また、現在新サービスの利用規約などを弁護士先生と一緒に作っていますので、実が引き締まる思いです。