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組織が大きくなれば、経営と執行の分離が必然的になるが、起業して3年以内の場合、経営と執行の分離は必要なのでしょうか。私は、組織が50人〜100人を超えるあたりから執行体制を整備して経営と分離し、執行パートへ権限委譲を行うことが正しいと思っていましたが、最近は、少し考えが変わりました。

組織論的には、権限委譲と責任の明確化により、執行メンバーの成長や自主性が高まり、組織力の向上には必要な組織変更だと理解できます。また、カリスマ経営者に依存していた経営スタイルから組織で維持できる経営スタイルへ変革する意味もありますよね。そうなると、やはり組織が大きくなってからの取り組みとされるでしょう。但し、これは組織論としてだけの話。

財務も含めて総合的に経営と執行の分離について議論するには、スタートアップ時の経営の役割は何かということが分かっていないといけないと思います。言い換えると、スタートアップ時に最も重要なことは何かということです。

私は、経営の役割は1にも2にも売上をあげ続けることだと断定しています。正確には、売上を上げるまでの環境を整備することに尽きます。実際に売上をあげる貢献は執行以下の社員になりますが、経営はそのお膳立てをしなくてはなりません。

色々とやっているけど、売上をあげる段取りができない経営は無能なのでしょう。その段取りがあって、初めて売上貢献する社員の力が生きてくる訳ですから。とりわけ、スタートアップ時は、1円の売上を作るまでの環境作りと、継続的に売上が成長する仕組みを構築するのは大変です。売上なら何でもいいのであれば比較的簡単ではありますが、事業計画通りに売上を上げるのは非常に難しいものであります。

これから起業される方は例外なく、今、思っているより10倍は売上をあげることは難しい、と思っていた方が良いと思います。大企業出身者は特に覚悟しておいた方がいいでしょう。自分自身、痛感しましたので。

そのスタートアップ時の難しい部分をぶち破るのはやはり執行ではなく経営の役割です。その後に、売上を計上するために社員をマネジメントし、遂行するのは執行の役割だと思います。この経営と執行がいつまでも分離できない組織は、経営者が執行に時間が割かれてしまうことで、肝心の将来の売上を作る活動をやらなくなり、どこかで成長が鈍化してしまいます。早期に執行パートでの優秀なマネジメント担当を置き、経営は全力で売上を作る仕組み作りに取り組まないといけないと思います。

(勿論、いつまでも仕組みができないようなら、早々に経営を辞めるべきではありますが・・・)

まとめますと、スタートアップ時の組織体制と役割分担において、組織論としては経営と分離は時期尚早であるとなるのでしょうが、現実的には経営と執行の分離はするべきではないでしょうか。

但し、その際の経営の役割は、『部下に全てを任せて何もしない』ということではなく、売上です。1にも2にも売上を上げることこそ、スタートアップには必要なことだと認識し、そこに全力投球すべきではないでしょうか。細かいことを置いておいて(もしくは我々のような外部コンサルタントに任せて)、とにかく売上を作る仕組み作りにフルコミットです。こういうことをやっていたので、売上があがりませんでした、、、という言い訳は経営サイドとしては、決して許されることではありません。

売上が増加し続けると、社内は思いのほか元気になります。経営がモチベーションアップのための制度や福利厚生をするよりも、スタートアップ時の一番の士気高揚の手段は、売上が増加し続けるなのでしょうね。

自分自身を振り返っても、少しずつ意識はしていますが、まだまだ経営と執行の分離は出来ていないと自省しております・・・はい。

※このエントリはVENTURE VIEWブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および VENTURE VIEW編集部の見解・意向を示すものではありません。

庄子素史

庄子素史

未来予想 代表取締役COO

1998年株式会社オリエンタルランドに入社。ディズニーテーマリゾートのマーケティングに従事し、年間活動計画立案、予実績管理、顧客分析、集客キャンペーンの推進等で実績。その後、経営コンサルタント、ITベンチャー企業経営企画室長を経て、2006年未来予想株式会社代表取締役COOに就任。マーケティングプロセスから事業機会の発見、成長ストーリーを数値化し、社外への事業計画のPRと社内の業績管理が専門領域。