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上場してからが本当の試練

取締役
村松竜
2007年03月06日 08時00分

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いまさら当たり前の事ではあるが、
上場のバーが下がりきっている今の時代、上場したからと言って「成功」と言えるかと言えば、まったくそうではない。

上場企業の経営に関与している方ならお分かり頂けると思うが、
新興市場の上場企業としては、
時価総額で言えば、100億円、200億円、500億円、1000億円、2000億円、
営業利益、経常利益で言えば、5億円、10億円、20億円、50億円、100億円あたりに、
基準というか、ランクというか、一線、のようなものがある。
※主に機関投資家の視点です

自戒の意味も込めてだが、正直、営業利益が10億円以下というのは、吹けばあっと言う間に飛ぶような水準だ。
未上場企業と変わらない。
ストック型収益か、フロー型収益かなど、利益の質にもよるが、広告系モデルであれば、一業界に異変が起これば、あっという間に赤字に転落したりする。(最近の消費者金融騒動では、100億円単位で広告収入が消える場合もある)
Eコマースであれば、物流センターを作って赤字になったりする。
最悪なのは、上場して立派なオフィスに移転し、販管費が増加し、増収減益になったりするケース。これはかなり多いのだが、人材採用やモチベーションのための投資と説明するが、本当にそうだろか?本当に欲しい人材は、オフィスで会社を判断するような人なのか?
翌期以降も赤字になったり利益成長しなくなったりすると、どのような評価になるか?

誰のための上場なのか?、と言わざるを得ない。

創業者や一部の外部投資家だけがキャピタルゲインを得れば「成功」と認識するが、
多くのステークホルダーから経営資源をお預かりし、持続的な成長と顧客価値の創造を求められる「企業」つまり発行体としては、「試練に直面中」という認識が正しい。

試練なのだから、直視し、乗り越えていけばよい。可能性はいくらでもある。
ただそこで「成功」だと思ってしまうと、成長は止まってしまう。顧客に見切られ、競合にどんどんやられ、人材は流出し、いつしか減益体質となり、やがて市場から忘れ去られていく。

それを「成功体験」として持ったり、セミナーで話したりすると、間違った認識が広がってしまい、後進の起業家に悪影響である。

ベンチャー企業支援に関わる我々の責任は重い。
明日の日本を担う企業、経営者を、資本市場に送り出す使命を負っている。「投資してexitして」儲かればよい、というものではない。

上場後も経営者を「ちやほや」せず、上場=成功ではない、という共通認識を持ち、心構えをお伝えし、厳しく切磋琢磨していくべきである。

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プロフィール

1994年日本合同ファイナンス(現ジャフコ)に入社。1999年クレジットカード決済処理サービスのペイメント・ワンを設立。カードコマースサービスとの経営統合、GMOペイメントゲートウェイへの社名変更を経て、2005年4月東証マザーズに上場。 2005年9月GMOインターネットグループのコーポレートベンチャーキャピタルであるGMO VenturePartners設立に際し、事業シナジー追求型の「GMO VenturePartners投資事業有限責任組合」、コンセプト特化型の「ブログビジネスファンド投資事業有限責任組合」を設立して無限責任組合員に就任、約23億円を運用中。

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