ユビキタスエンターテインメント 代表取締役社長 清水亮
僕はプレゼンばかりやる人生を送っていました。
最初にプレゼンらしきものをしたのは、高校生の時。雑誌社に乗り込んで連載の企画をでっちあげてプレゼンしました。
以後、無手勝流で企画書の書き方、プレゼンの仕方などを考えて行くのですが、大学一年生のときに初めて見たMicrosoftのGame SDKのプレゼンに衝撃を受けました。
Alex St. Johnを始めとした伝説の荒くれ者たち、通称beasty boysが、大暴れする様をみて、「これが世界一流のプレゼンか!」と勘違いしてしまいました。
Alex St. Johnのあらくれ具合については、先日紹介した本を読んでください。
マイクロソフト帝国の反逆者たち―WindowsはガラクタOSだ!こんなもの、どうやって売り込めっていうんだ
それくらいAlexのプレゼンは衝撃的で、自虐ギャグのオンパレード、そしてイベントが終わる頃には僕はすっかりDirectXをとりまく文化が大好きになっていたのでした。
PlayStationがらみの開発の仕事で、大手と零細の優遇の差に辟易していた頃だったので、この、誰にでも情報を開示する、フラットなイメージのプレゼンはとてつもない衝撃でした。
以来、僕はあの在りし日のAlex St. Johnのプレゼンを最高のものとしてあらゆる企画書を書くようになります。
とはいえ、僕が大勢の人の前でプレゼンらしきものを行ったのは、98年の「第一回3D野郎大会」まで待たなければ成りません。
なにかの偶然でこのイベントを運営することになった僕は、調布の市民会館を借りきり、初めて目にするプロジェクターを調整して、プレゼンと司会に初挑戦。以来、専門学校の講師から、学会や大学での講演、もちろん仕事の上では企画プレゼンと、様々なプレゼンを通して研鑽を重ねて来たつもりでした。
それでも去年、このWeb2.0マーケティングフェアに出展したときには、あまりの客入りの悪さに衝撃を受けました。
二日目にマイクとスピーカーを持ち込んで辻説法を始め、最終的には人だかりができて通路の交通が妨げられるほどの盛況となりました。
このとき僕は「自分の言葉で語らなければ、人は耳を傾けてはくれない」「役立つ情報でなければ人は聞いてくれない」という教訓を得たつもりでした。
しかし一昨日、再びこの「Web2.0マーケティングフェア」に挑戦すると、去年の教訓はどこへやら。僕が必死に考えた「役立つ」プレゼンがあまりに無力でした。
今回はブースも大きく、大通りに面した一等地に構えたのですが、そのぶん大通りなので人通りが激しい。
人通りが激しいところでプレゼンをやると、なかなか聞いてもらえないのです。
みんな急いでいるのでかなり高速に立ち去って行きます。
まず足をとめてもらわなくては。
僕は焦りました。
「役立つプレゼン」を目指して、この日のために一ヶ月も前から用意していた2枚複写のワークシートも、却ってお客様を疲れさせるだけになってしまいました。
一日目は散々な結果に終わり、僕は無念を感じながら酒を飲みました。
「役立つだけでは聞いてもらえない」「面白くなければだめだ」
そんなことを考えて眠れなかった二日目。
たまたまお取引先がいらしてくださっていたので、急遽ステージに上がっていただき、プレゼンではなくてトークセッションの形で商品説明をすることにしました。
すると意外なほど反応が良く、「これはいけるかもしれない」と手応えを感じました。
ワークシートは早々に廃止し、「社長の長い話」と題して開き直って長話をすることにしました。
スライドの内容もいろいろ試しました。
学会やプログラマーの集まりではバカ受けだったスライドも、普通の人には全くすべりつづけました。
だから少しでも足をとめていただけるように、デモの時間を多くしました。
まず、サイトスニーカー2007など、目を引く珍しいデモで足をとめてもらい、十分なお客様が集まってきたところでおもむろにCMSの説明を始める。
最終日の今日は、朝から福岡さんが遊びにきてくれたので、福岡さんに壇上へ上がってもらい、トークセッション。
週アス総編集長というのは、飛び道具だなあ
御陰さまでセッションは大盛況。
時間オーバーするくらいの人気ぶりだった。
で、なにが重要なのかというと
「ビジュアル」
だった。
特にサイトスニーカー2007は凄い。
やっぱりお客様は、こういうイベントを見に来るからには目新しいもの、珍しいものを求めているようで、珍しいものを見せるととても興味をもってくださる。
僕らが技術的にちょっと変わったことをやる会社だというとがうまく伝わると、お客様がどんどんやってきてくれることがわかった。
これしかないか
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