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2008年3月 9日 01時47分

業績とノルマと人間力

中島正三 パワーテクノロジー 取締役会長 中島正三

5年目の当社、おかげさまで5年連続売上/利益ともに、「前年倍増」で落ち着くこととなります。つまり、1年目からすれば、16倍に成長しているわけです。常日頃、当社をサポートくださっているお客さま、パートナーの皆様、本当にありがとうございます。ご支援がなければ、とてもとてもこのような有難い状況は生まれませんでした。昨日も、家に帰り、空をぼっと眺めていたら、無性にありがたくてありがたくて、一方「常日頃、感謝の姿勢を行動として出来ていない自分」に嫌気がさして、反省していました。





4月より6年目の当社、これからが本当の実力が試される時期、このように感じています。正直、業績自体は倍増してしまうと思っています。これまで以上に容易に。数字の読みで外したことのない僕ですから、間違いないでしょう。ただ、僕はものすごく懸念があります。





僕の懸念とは何か、それは業績ではありません。メンテナンス営業部隊の人間力、経営陣の姿勢、です。誤解がないように先に話しておきますと、全員まじめで真摯です。これを理解したうえで、僕として苦言を呈したい。





前にもお伝えしましたが、当社には営業ノルマがありません。そもそも、新規開拓スタッフが存在しません。サポーターの皆様のご支援もさることながら、毎月多くのクライアント候補の皆様から、会社宛にメールや電話で当社SEOに関してご相談を受けており、自然発生的に案件が増えているからです。それに、検索エンジンマーケティングでは、SEOしかできませんから、SEM展開されているフルスピード社、アウン社、アイレップ社のように、総合提案できないからです。この要因は、僕のマネジメント能力に起因するのですが、急成長型で事業拡大するのは、僕のような考え方ではとてもとても。その意味からすれば、僕のせいで社員には迷惑をかけているともいえます。





話を戻しますが、営業ノルマを設定しないために、社員は穏やかな気持ちでしっかりとした提案を行うことができる反面、数字を作る必要がないため、どこか保守的になっている気がします。もちろん、サポーターの皆様からそうしたお叱りは受けていませんが。あくまでも、僕の高い目標の中で、思いつく課題です。





僕にとって、SEOとはまだまだ信用材、経験財の域にある商材だと認識しています。つまり、金融商品などと類似しているものと考えています。リスクの高低は異なるにせよ、なんとなくわかるけど、クライアント側からすれば、いったんは躊躇してしまう商品だと思っています。





とはいえ、効果的な検索エンジンマーケティングを実施していく中では、SEOは非常に注目もされており、潜在ニーズとして存在するわけです。潜在ニーズ商品といえば、まさに生命保険などと同じ領域になりますね。





信用材や経験財は、商品導入までに一定期間のコンサルティングが必要で、お悩みになっていらっしゃることを共感したうえで、課題を見つけて、課題解決に向けた提案を実施し、それでも残る懸念事項を営業マンの人間力で突破し、成約につなげるプロセスが求められます。良く分からないからこそ、最後は「この人だったら信用できる」というところから始まると思います。何ら人間関係がないところからですから、まずは「信用」してもらうことが重要です。そのためには、その人の仕事にかける姿勢、情熱、思いやり、誠実さ、真摯さ、色々な要素をもってお客さまに訴求していくことが大切だと思います。





ところが、当社の場合、おかげさまでSEO分野の最大手の一角になったこと、営業ノルマがない中で、インバウンド営業主体になってきていることから、会社への信用から、人間力で突破する経験が不要になっています。つまり、SEOだけにフォーカスし、クライアントの事業について、一緒に悩んで、一緒に作り上げるお手伝いができていません。その証左として、ネット事業を展開されているお客様は、SEO以外のお悩みを当然に抱えており、そうしたお悩みをたくさん相談されてきていましたが、最近は少し減ってきたかなと思います。どうも、一緒に悩んでいないのではないか、このように感じています。





新しいサービスは、一緒に悩み、相談を受け、一緒に解決していくところから生まれるものであり、この点を僕に依存している現状、正直さびしく同時にお客さまに申し訳なく思います。一生懸命仕事をしているのをわかりつつ、高いレベルで当社人材に文句を言うとすると、殿様商売になっていないか、と言いたいわけです。繰り返しますが、外から見れば、決してそんなことはないので、あまり厳しく問い詰めないで下さいね(笑)。





いつの時代も、商売は変わりません。特に、経験や信用に左右されるステージの商品は、対面販売こそが重要であり、そこからしか何も生まれてきません。自動車保険のように、一定に認知が進んだものについては、営業コストを省いた通販が浸透しますが、それでもまだまだ対面販売が生きていますし。





話はそれますが、対面販売の通販に対する優位性は、潜在ニーズを掘り起こすことができること、お客様との触れ合いにより新しいサービスを生み出すことができること、これらが存在します。顕在ニーズに訴えかける通販事業は、ものすごく限界があります。





僕は、当社人材には、せっかく対面営業で代理店様なりお客様なりにお会いするならば、そうした相談や悩みを解決してあげる気概、気持ち、すごく欲しいわけです。淡々と、仕事をこなす人間になってほしくないわけです。新しいサービスは自分が生み出す、そのためにどんなお客様の小さな声や要望も会社にフィードバックして、解決の道を見つけて差し上げたい、こういう思いが欲しいと思っています。そのために、時間をかけてほしいですし、時間がないなら人材採用および育成を今まで以上に積極的にしてほしい。





単なる現状把握が仕事だと誤解している、あるいは誤解している状況に気が付いていないならば、早急に改善してほしいと思います。ノルマがないからと、SEO中心だからと、僕が新規サービスを開発するだろうと、思わないでほしい。会社は、個人のものではなく公器であり、自らが積極的に考えて動き、成長させることが大切です。





人間力は、苦労から生まれ、苦労して初めて信用され、継続して苦労することで信用から信頼につながり、追加契約や契約維持、そして新しいお客様のご紹介や新しい相談につながる、そう思っています。僕が営業していたころ、サイト制作、解析ソフト導入、コールセンターなどを使った通販システム、リスティング、TVCM、枚挙にいとまがないほど色々なご相談をお受けし、色々な企業をご紹介させていただき、喜んでいただきました。





ベンチャー企業は、経営がこうしたことを率先して、自らの姿勢を管下社員に伝えていかなければなりません。今の僕のスタンスを含めて、経営陣は猛省すべきです。また、管下社員は、経営に依存するのではなく、自らが実践していく必要があります。





仕事のする喜びを、SEO案件拡大だけにとどめず、相談をお受けしたり、新しいサービスを考えたり提供したりして、お客さまとともに成長していくところに目を向けないと、当社は存在する意味がないと思っています。





お客様がご満足され、信頼されるていることを示す一番の指標は、紹介やSEO以外のご相談を受けることだと考えます。僕にとって、今一番重要なことは、お金になるならないではありません。むしろ、うちの社員がお金だけで動くならば、ぜひ会社を辞めて下さい。今はひとりもいませんが。





ぜひ、商人という原点を知り、仕事に取り組んでください。なぜ、今このご時世にコミッションが高い対面営業の証券会社や保険会社が存在しているのか、一例ですが考えてほしいものです。トップセールスマンは、自社商品以外の様々な相談に応じています。そうしたことを含めて、仕事だと認識しています。一番大切なことが、お客様の信頼であること、理解しているからです。信用された程度で、信頼されたと間違う愚かなマインドだけは、ぜひ持たないでください。





人間としての魅力を高める一環として、仕事の取り組み姿勢、日ごろの習慣、業界関係並びにお客様の業界勉強、話法等のスキルアップ、色々ありますし全力で頑張ってもらいたいですが、何よりも「不便を便利にして差し上げたい」という思いで、困っていることをお聞きし、会社に持ち寄り、全員で解決していくアクション、2008年度僕が期待していることです。





長くなりましたが、うちの大切なスタッフ、よろしくお願いしますね。「ほんま、ありがとう!」って言われる会社になりたいですね。

※このエントリはVENTURE VIEWブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および VENTURE VIEW編集部の見解・意向を示すものではありません。

中島正三

中島正三

パワーテクノロジー 取締役会長

1970年1月24日生まれ。高崎市立高崎経済大学経済学部卒業後、ソニー生命保険株式会社入社。アクサ生命保険株式会社、東京海上あんしん生命(現:東京海上日動あんしん生命)を経て、独立。外資系金融機関等複数企業の顧問、上場企業社外取締役などを経て、2003年4月株式会社プレステージ・マーケティング(現:パワーテクノロジー株式会社)を設立。現在、ほかに株式会社PIキャピタル代表取締役を兼任。