株式会社クレイジーワークス 代表取締役ワーキングプア 村上福之
去る7月15日、知る人ぞ知る、京友禅作家、「くりすたるあーと」代表の、林裕峰先生にeee PC901-Xの京友禅仕様にしていただきました。感謝感激雨おかきです。ベースは7月12日に発売になったばかりのeee PC 901-Xです。

本当に元が格安ノートパソコンとは思えません。お箸が似合いそうですね。

近くで見るとさらにきれいです。eBayに出したら5万ドルくらいいきそうな気がします(笑)。おそらく世界でいちばん豪華なeeePCですね!

元はこんなのです。

先月、日経ではVAIOでやって頂いていたので、有名かもしれません。
以下、超長時間に渡る作成レポートです。途中で雑談もいっぱいしていますが、塗っては乾かすを繰り返す、長い長い工程でした。基本の工程は日経でやってた特集と同じです。

eee PC 901にマスキングシールを張り、構図を考える先生。今回、先生は下絵もなにも描かないで即興で構図を考えられるそうです。


下地を入れたところ。

一度目の樹脂の塗りに入ります。

紫外線ライトで乾かします。

また塗る

塗るっていっても、細い細い面相筆で全面を塗るんですよね。


贅沢に箔(はく)をまぶしているところです。上の写真の引き出しの中のキンキラキンですね。結構、高いらしいです。

また、乾かします。

ごしごし、きれいにします。


塗る、乾かす、塗る、乾かす....、の繰り返し。

縁起のいい七宝繋ぎ模様を入れているところ。しゃべりながら作業してるのに仕事速いです。今回は渋めのテーマで縁起のいいものを入れていただくようにお願いしました。

しだれ桜を入れていただいているところです。写真で見ると先生がモクモクと作業しているように思われますが、実際はずっとオモロトークしっぱなしで作業してます。おしゃべりしていても手がお留守にならないのはさすがプロです。

美しい!

また、塗りますよ。

爪楊枝でしだれ桜の細かいところを描いていただいているところです。

きれいです。。。

真珠貝の螺鈿(らでん)を入れていただいているところ。日経のサイトにも書いていましたが一個一万円は下らないそうです。螺鈿ってのは、wikipediaによると...。
螺鈿(らでん)は、主に漆器などの伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつ。貝殻の内側、虹色光沢を持った真珠質の部分を薄く研磨したものを、さまざまな模様の形に切り、漆地や木地の彫刻された表面にはめ込む手法、およびこの手法を用いて製作された工芸品のこと。
だ、そーです。ここで使われる材料はほとんど京都から取り寄せたものばかりだそうです。京都じゃないのは樹脂くらいらしいです。


塗るー。

さらに真珠貝の螺鈿(らでん)を入れます。さらに縁起のいい松・竹・梅の三つの螺鈿を入れていただきました。

メキシコ貝の螺鈿(らでん)を入れていただいているところ。

さらに桜の花びらの螺鈿(らでん)を入れて頂いたところ。細かい作業です。

真珠貝の螺鈿をガンガン載せていきます!

また、塗っては、乾かし、塗っては、乾かし。。。

eeePC 901は端っこが丸いのでテクがいるそうです。前のeeePC 701の方が塗りやすいかも?

爪楊枝で描き描き。実際は作っている間、雑談をしたり、くりすたるあーとができるまでの、長い長い歴史をお話いただいたり、いろいろディープな雑談をしたりしながら作業です。実演でもメシ食っていけている方なので、また、話がオモロイんですよ。これが。

ハンコをぺたん。本家本元の印!

たまーに、はみ出したときなどは、らくがき消しスプレーで修正したりします。生活感あふれるツールでワロタ。こんな「芸術品」に「らくがき」消しで修正なんて。。。

最後の方は、塗る!、乾かす!、塗る!、乾かす!、の繰り返し。表面が汚ければ、何度も何度も塗りを入れます。ホコリを見つけるとピンセットで取り除き、細い細い筆でかなり地道に塗って頂きました。まんべんなく塗りを入れて、まんべんなく乾かすのは長年の経験と技術らしいです。
先生いわく、eeePCの黒は色がきれいということで、表面は塗りやすいということでした。ただ、ヘリが丸いので、端がすごく塗りにくいと何度も言っておられました。端っこが丸いと塗ると垂れてくるので、かなり技術がいるそうです。

しゃべりながら細い細い筆で塗っている割には、表面が平らに仕上がっているはすごいです。

クシではしっこを仕上げてるところです。

また、塗っては乾かしです。

完成。。。ぼくのおそろいのケータイと並べてパシャリ。今回、このPCのために長い長いお時間を掛けて頂き感謝感激でう。先生、寝るヒマもないくらいお忙しいのに申し訳ない。。。
塗りやすい機種はThink PadやVAIO-Tだそうです。ただ、あまり大きなPCだと塗りの回数がもっと多くなり、構想と塗りで最低三日は掛かるとか。ぼくも、三日くらいかかるんじゃないかと覚悟してきたのですが、eeePC 901-X程度のサイズならば、1台だけなら一日でもできるとのことでした。(ただ、これは他に仕事が入ってなければ一日で終わると言う意味だと思います。)
はじめて先生にお会いしたのは、10年近く前にIBMの展示会でお会いしました。当時はWorkPad(Palm)やThink Padにアートを施しておられた記憶があります。デコケータイも存在しなかった時代でしたので、すさまじくインパクトがありました。当時から、とにかく人との出会いを大事にされており、「京都の工房まで来ていただいて、目の前で作らせてもらう」というポリシーについて語られました。ネットの展示会でアナログなことを語られて、その展示会では先生の話しか頭に残っていなかった記憶がありました。
そして、今回、このクオリティの高さには本当に驚きました。先生曰く、「後になればなるほど、いいものができるんです。」とのことでした。やはり、人間、いくつになってもスキルは向上していくのですね。プログラマ35歳限界説とか言っているやつはダメだなぁ。
この京友禅をモバイル製品に施すアートである「くりすたるあーと」を立ち上げるまで、すごい紆余曲折があったことをお話いただきました。いろんな材質や樹脂を試しに試しておられたようです。時には他社の特許の営業権を買ったり、時には変な樹脂を試してケムリが出たり、海外の会社にだまされたり、ノウハウを盗まれたり、中国人に無許可で機材を売られたり...話を聞いていると青色ダイオードのの中村修二さんを超えそうなドラマです。信じられないのが、それらを個人でやっていることです。溶剤や樹脂の研究も、販売も、コストも時間も、個人でできるレベルを超えています。それを個人のフットワークでやってしまう根性には目頭が熱くなりました。
そして、なにより、人との出会いを大事にしておられるのことが心を打たれました。変な商売っ気なしで、出会いとものづくりを大事にしておられる姿勢は、心底、感動しました。
ネットでググるといつもサムエを着ておられる画像ばかり出てきて、きっと気難しい職人なんだと思っていましたが、すごく気さくで人情味が100万ガロンくらいあふれておられる方でした。今度、何か恩返しをしたいです。
先生が依頼される作品でいちばん多いのは、ケータイです。


実は2週間前にP905iに大森の丸善でくりすたるあーとを施していただきました。大人が持てるデコケータイですね。小さい螺鈿も入っています。唐草模様をベースに金のラインが入ってますが、これは元は着物の帯の生地を使っていただいてます。元は京友禅は着物に施すものなので、こういった素材が多いです。
ケータイへのアートはノートPCほど時間も掛からない上に、お値段も数千円から一万円くらいで、リーズナブルです。
また、ドラマの衣装や領事館のお土産なども製作されており、かなりいろんな分野で活躍されておられるようです。ググればいっぱい出てきます。
この後、先生とタイ料理をご馳走になって、終電で帰りました。ごちそうさまでした。
携帯電話にくりすたるあーとを施したい場合は、7月17〜21日まで浦和パルコの丸善で実演販売をやられているので、行けばその場でやって頂けます。ノートパソコンなどはかなり時間が掛かるので要予約です。
興味のあるやつは、ミクシィのコミュニティで「くりすたるあーと」でググレカス。
※このエントリはVENTURE VIEWブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および VENTURE VIEW編集部の見解・意向を示すものではありません。
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